「筋・筋膜性腰痛症」に対するリハビリテーションの方法は?
昨今では、パソコンやスマホの普及により
持続的な不良姿勢が誘因となり生じる“腰痛症”などが社会問題となっています。
“腰痛症の8割は原因不明”と言われるほど、
複雑な病態を示しますが、
その中でも比較的誰にでも生じやすいのが「筋・筋膜性腰痛症」です。
「筋・筋膜性腰痛症」とは、
腰椎や骨盤などの骨や、周囲の椎間板や靭帯などに異常を認めず、
神経学的な兆候もない”腰痛症”のことを言い、
筋や筋膜の異常が引き金となって生じる”腰痛症”です。
原因となるのは、
急性痛として、激しいスポーツなどによる筋の損傷や炎症、
慢性痛として、不良姿勢や長期間の同一姿勢などであり、
過剰な筋の活動が血流障害を生じ、疼痛物質が蓄積し、痛みを感じるのです。
日常生活における腰痛が出現するのはもちろんの事、
何をするにも億劫になり、全身的な運動不足に陥ったり、社会活動の制限にもつながりかねません。
今回は、そんな「筋・筋膜性腰痛症」に対するリハビリテーションの方法について解説します。
「筋・筋膜性腰痛症」の基本的な知識はこちらから
→「筋・筋膜性腰痛症」の原因や症状、治療法とは?
「筋・筋膜性腰痛症」のリハビリテーションとは?
「筋・筋膜性腰痛症」に対するリハビリテーションでは、
・急性痛の場合
・慢性痛の場合
の二つに大別され、それぞれで異なる考え方が必要です。
急性痛の場合
スポーツや重労作などによって発症した場合、
傷害を受けた筋は炎症を呈しています。
急性期には安静を中心として無理な体動を避ける指導が必要です。
場合によっては、コルセットなどの装具療法を併用することで、
腹圧を高め、筋の余分な活動を抑制することも効果的です。
ただし、長い間この状態を強いると、
徐々に筋萎縮や筋力低下などが生じ、場合によっては慢性の腰痛へ発展することもあるため注意が必要です。
組織の炎症期は概ね2〜3週間程度であり、
この時期を過ぎたら積極的な運動を行います。
具体的には、疼痛のない範囲でのセルフストレッチなどが推奨され、
前後屈運動や側屈運動などを行いましょう。
慢性痛の場合
慢性痛の場合には、
原因となっている不良姿勢の改善や、生活週間(週間的な同一肢位)の改善し、
筋疲労からの回復や、血流の改善が必要です。
まず、急性期には避けるべき温熱療法が有効であり、
ホットパックなどを使用し、筋の血流の改善を促します。
運動療法としては、ストレッチングを中心に腰部や臀部の過緊張を改善に、
筋の弛緩を促すことが重要です。
必要に応じて、局所の筋への指圧やマッサージなども有効でしょう。
さらに、週間的な同一姿勢や不良姿勢を改善するための指導や再教育が重要です。
「15分に一回は姿勢を変える」
「身体を前屈位で重いものを持たない」
「画面に向かう際には、頭部を前方に突き出さない」
などなど…
できるだけ具体的、かつその人の生活週間に合わせた指導が重要です。
まとめ
今回は、「筋・筋膜性腰痛症」に対するリハビリテーションの方法について解説しました。
リハビリテーションと言っても、
他者に行ってもらうものではなく、
ほとんどが自己管理として取り組んでいかなければなりません。
ちょっとした生活週間が腰痛を招き、ちょっとした生活週間の改善が腰痛を減少させるのです。
腰部に生じる疾患はこちらも注意
→腰部脊柱管狭窄症とは?原因や症状、その治療方法は?
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
スポンサーリンク