「変形性膝(股)関節症」歩けば良くなるのか?適切な歩数は?
「膝が痛い…」
「足の付け根が痛い…」
このような症状は加齢とともに出現し、
多くの人が悩んでいる症状ではないかと思います。
クリニックや整形外科では、
「歩きなさい」
と決まり文句のように言われることも多いのではないでしょうか!?
膝の痛みや、足の付け根の痛みを生じる原因の多くは、
「変形性膝関節症」または、
「変形性股関節症」である場合が多いです。
これらの疾患は、
加齢や、骨粗鬆症などを原因として(または原因なく)、
軟骨の磨耗などから関節の隙間が減少することによって生じます。
近所のクリニックや整形外科では、
レントゲンなどは撮るものの具体的な治療アドバイスはなく、
「歩きなさい!!」
と決まり文句のように言われることも多いのではないでしょうか。
果たして、歩けば良くなるのでしょうか?
また、どれだけ歩くことが適正なのでしょうか?
「変形性膝(股)関節症」とは?
「変形性膝関節症」または、「変形性股関節症」は、
“軟骨の変性によって、磨耗や変形を呈す、慢性の退行性疾患”です。
加齢や肥満、骨粗鬆症などが原因となることもありますが、
一次性に生じることもあり、
高齢社会を迎える昨今では、まさに社会、そして医療問題とも言えます。
荷重時の疼痛を主としますが、
変形や関節可動域制限など、日常生活動作を高度に制限します。
治療は様々な方法がありますが、
最終的には、“人工関節置換術”などの手術療法に発展することが多いです。
詳しい解説は以下の記事を参照ください!
【変形性膝関節症】
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→変形性膝関節症と肥満との関係は?
【変形性股関節症】
→変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
→変形性股関節症や人工股関節全置換術後のリハビリテーションとは?
→変形性股関節症に貧乏ゆすりって効果があるの?
一般に推奨される1日の歩数とは?
厚生労働省が公表している
「健康日本21」では、1日の目標歩数などが具体的に明記されています。
“歩行”は、日常生活における身体活動量を増やす
具体的な手段として位置付けられています。
当面10年の目標として掲げられているのは、
70歳以上の高齢者においては、
1日平均歩数として
男性6,700歩、女性5,900歩程度です!
歩行を中心とした身体活動を増加させることで、
生活習慣病の数%の減少が期待できるそうです。
詳細な情報や、その根拠はこちらのHPを参照ください!
変形性膝関節症と歩数に関する過去の報告
過去には、
“1日6,000歩以上のウォーキングが、変形性膝関節症とそれに伴う歩行困難など機能障害のリスクを軽減する”
と米国ボストン大学の研究チームが報告(関節症治療と研究)している。
歩行は、費用もかからず、
誰にでも手軽に行えることから、1日10,000歩が推奨されています(海外の事例)。
しかしながらこの度の報告で6,000歩の歩数が推奨され、
良好な帰結が得られていること、
さらには、「健康日本21」で推奨される歩数とほぼ同等なことから、
おおよそこの程度の歩数(6,000歩)が目安となるのでしょう。
結局、変形性膝(股)関節症は歩けば良いのか?
前述したように、
歩行は生活習慣病の予防に効果的であるとももに、
変形性膝関節症などのリスクまで軽減されることは事実のようです。
ただ、勘違いしてはいけない点は、
ある程度の歩数を歩ける人にとっては有効であると思われる点です。
クリニックや整形外科を受診する人の多くは、
症状が進行し、痛くて歩けない場合もあります。
それなのに、医師に言われるがままに、
盲目的に頑張って歩き続ければ、辛いことはもとより、
さらなる力学的負担の増加から変形を悪化させ、症状が重症化することも考えられるのです。
まとめ
「変形性膝(股)関節症」歩けば良くなるのかという問いに対して、
症状が軽く、予防程度として捉えられるのであれば有効と思われます。
しかしながら、痛くて歩けないレベルの人が、
我慢して歩き続けても、
変形や磨耗が再生することはなく、
さらなる症状の悪化を招くことにつながる可能性があることは、
誰もが知っておく必要があるでしょう。
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