「中手骨骨折」の分類は?手術が必要?リハビリテーションの方法とは?

    
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中手骨とは、

手の甲の部分を構成する骨です。

手は使用頻度が多い分、骨折などが生じると何かと厄介ですね。

 

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「中手骨骨折」とは、

文字通り、手の甲の部分を構成している“中手骨”の骨折です。

 

足でいう中足骨という部分に相当し、

各手に、各指に対応するように5本の中手骨が存在します。

 

主な受傷起点は直接的な外力が加わることであり、

スポーツなどによる強い衝撃によって骨折が生じることがあります。

 

足の中足骨と違って、手の場合には巧緻性が要求されるため、

できるだけ後遺症も残したくないですよね。

 

そこで今回は、「中手骨骨折」の概要や治療方法、さらにはリハビリテーションの方法などを解説します。

「中手骨骨折」の概要

“中手骨”とは、

手の指に対応するように、その近位にある骨です。

手のアーチを形成する部分にあたり、まさに手の甲の部分がそれです。

「中手骨骨折」とは、

まさにこの部分の骨折ですが、

実はこの中でも折れる部位によって、いくつかに分類されます。

 

 

「中手骨骨折」の分類

中手骨骨幹部骨折

骨幹部とは、中手骨の中でも中央部分のことであり、

手の甲に対して強い衝撃が加わることや、ひねり動作によって受傷します。

 

注意すべきは、骨折部がズレた状態や回旋した状態で癒合することで、

変形が残存したり、骨自体が短縮することがあります。

 

 

中手骨頚部部骨折

中手骨の頚部とは、先端部分(骨頭)のすぐ近位を指します。

拳でグーを作って突出している部分を強打することで受傷します。

別名:ボクサー骨折と呼ばれるように、

殴った際などに受傷することが多いです。

 

 

ベネット骨折

ベネット骨折とは、

中手骨の中でも母指に限定したもので、

骨の底部である根元の部分の関節の骨折(または脱臼)です。

 

別名:母指CM関節脱臼骨折といい、

ボクサー骨折と同様に、パンチなどによって強い力が母指先端から根元に加わることで受傷します。

 

 

 

「中手骨骨折」の治療とは?

「中手骨骨折」の治療方法に関しては、

先に分類した骨折のタイプによって異なる方法が検討されます。

 

 

中手骨骨幹部骨折

中手骨骨幹部の場合、

徒手整復の後、シーネやあて木によって固定します。

 

整復の際には、

骨通しのズレや回旋変位を生じないようにすることが重要です。

 

上記のような整復ののちの安静にて骨癒合が得られない場合には、

プレートや鋼線などを用いた固定手術が行なわれます。

 

 

中手骨頚部部骨折

中手骨頚部の場合、

中手骨の側面像などから正確に骨折の程度や、

変形の角度を吟味しなければなりません。

 

骨折部の変形が軽度であれば、ギプス固定による保存療法を、

そうではなく変形などが大きい場合には、鋼線などを用いた固定手術が行われます。

 

 

ベネット骨折

ベネット骨折の場合、

保存療法では転位のリスクが高いため、

基本的には手術による固定が行われます。

 

 

 

「中手骨骨折」に対するリハビリテーションとは?

中手骨骨折に対するリハビリテーションでは、

骨折の分類などによる相違はなく、

 

基本的に(手術、保存関係なく)骨癒合を待つ間は、

骨折部に関係のない関節の可動域や筋力を維持しながら、

骨折部の骨癒合が完了してから、骨折部周囲の関節可動域の維持・向上、筋力の維持・向上を図ります。

 

具体的には、

骨折部と関係のない部分に関しては、

廃用性の機能低下を防ぐために関節のモビライゼーションや筋力訓練を行います。

 

この際には他動運動のみならず、自動運動によって筋や腱の滑走性を維持することが重要です。

 

骨折部に関しては、骨癒合を待ってから、

こちらも自動・他動における筋力訓練や関節モビラーゼーションを行い、

機能の改善を図ります。

 

もちろん、実際の日常生活場面に取り入れていくことも重要です(箸を持ったり、字を書いたり)。

 

 

 

まとめ

今回は、「中手骨骨折」の概要や治療方法、さらにはリハビリテーションの方法などを解説しました。

手術は成功したものの、リハビリを怠ったがために後遺症が残りましたでは、

後悔までもが残ってしまいます。

また、受傷時に痛くても我慢しようとしてしまうと、変形などの後遺症が残る場合もあるので、

必ず整形外科などを受診するよう心がけましょう。

 

足の“中足骨”の骨折はこちら
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