「胸郭出口症候群」に対するリハビリテーションとは?

    
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「胸郭出口症候群」に対する治療法は、

“薬物療法”などによる消炎鎮痛がありますが、

実際にはそれだけでは根本的な解決にはなりません。

 

“リハビリテーション”によって、その原因を除去しなければなりません。

 

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「胸郭出口症候群」とは、

“胸郭出口と呼ばれる部位で、神経や血管が圧迫されることによって生じる一連の症状群”

です。

20歳代の女性に好発するとされており、特に“なで肩”の姿勢の人は注意が必要です。

 

 

“一連の症状群”とは言いますが、実際にはその病態によって、以下のような4つに分類されます。

斜角筋症候群
・頚肋症候群
・肋鎖症候群
・過外転症候群

これらは、神経や血管が何によって圧迫されか、またはその部位によって異なります。

「胸郭出口症候群」の分類とは?それぞれの特徴は?

 

 

いずれの場合も、代表的な症状としては、

手部や上肢の痺れや疼痛であり、

重症化するとレイノー現象運動麻痺などが生じることもあります。

「胸郭出口症候群」とは?原因や症状、治療法とは?

 

 

これらの治療は、“薬物療法”による消炎鎮痛がありますが、

“リハビリテーション”による運動療法によって、

その原因を除去することが根本的な治療となります。

そこで今回は、「胸郭出口症候群」に対するリハビリテーションについて解説します。

「胸郭出口症候群」に対するリハビリテーションの実際

「胸郭出口症候群」に対するリハビリテーションでは主に、

・運動療法
・生活指導

がその中心となります。

 

以下にそれぞれの内容について解説します。

 

 

 

運動療法

運動療法とは、運動を利用して行う治療法です。

 

「胸郭出口症候群」では、

分類によっても異なりますが、多くは筋の短縮や過緊張によって、

胸郭出口を走行する神経や血管が狭窄、または圧迫を受けることで生じます。

 

よって、これらを除去する方法として、

“ストレッチ”“リラクゼーション”が有効です。

 

例えば、斜角筋症候群では、斜角筋の短縮や過緊張に対して、

斜角筋のダイレクトストレッチや、

肋骨を引き下げながら、反対側に頚椎を伸展・回旋させる方法によるストレッチがあります。

 

単純に力を抜きながら肩を回すなどの方法でも症状が軽快することもあり、

それぞれの病態に合わせた筋のストレッチやリラクゼーションが有効です。

 

 

 

生活指導

生活指導の内容は、

習慣的な“不良姿勢の改善”です。

 

最近では、パソコンなどのデスクワークに加えて、

スマートフォンの普及により、

画面に顔を近づけて、首が前方へ変位した姿勢を取りやすいと言われています。

 

このような姿勢は、頚椎前弯の減少や、胸椎の後弯の増加などの変位を招き、

結果的に「胸郭出口症候群」のリスクを高めてしまいます。

 

顎を引いて少し背筋を伸ばすような心がけることで、

肩の変位を少なくします。

 

このような不良姿勢に対する指導や、アドバイスを行い、

これらの改善を図ります。

 

 

 

まとめ

今回は、「胸郭出口症候群」に対するリハビリテーションについて解説しました。

具体的な方法に関しては、それぞれの病態によって異なります。

そのため、治療においてはまずその病態が引き起こされた原因をきちんと評価することが重要となります。

理学療法士や作業療法士などの専門家の指導のもと、適切な方法で改善を図りましょう。


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