「筋・筋膜性腰痛症」の原因や症状、治療法とは?
“腰痛症”
最近では高齢者のみならず、
小・中学性でも腰痛になるという恐ろしい時代です。
“腰痛症”というのは、
腰部の痛みの総称であり、その病態は多岐に渡ります。
“腰痛症”は、もはや国民病とも言えるほどに増加傾向にあり、
パソコンやスマホの普及などによる姿勢の悪化が問題視されています。
現在でも医学の進歩は著しいものの、
“腰痛症”の8割が原因不明と言われるように、
はっきりとした所見のない腰痛が非常に多いことをご存知ですか!?
その中において、比較的頻度が高いと言われる
「筋・筋膜性腰痛症」は、スポーツ全般などの激しい運動はもちろんのこと、
長時間の同一肢位などによっても生じる非常に身近な”腰痛症”です。
そこで今回は、「筋・筋膜性腰痛症」の原因や症状、治療法などについて解説します。
「筋・筋膜性腰痛症」ってどんな”腰痛”
「筋・筋膜性腰痛症(myofascial pain syndrome)」とは、
筋の“こり”や筋スパズムが一部または複数箇所に存在し、
運動制限、筋力低下、自律神経障害を引き起こす腰痛症です。
もう少し簡単な言葉で言うと、
“腰部周辺の筋の筋疲労”や、
“筋の過剰収縮”によって生じる腰痛です。
「筋・筋膜性腰痛症」の原因は?
「筋・筋膜性腰痛症」の原因は、
・筋の傷害
・筋に対する過剰な負荷
・過剰な筋疲労
です。
これらの原因を引き起こす要因としてあげられるのは、
一つは、“スポーツ”などの激しい運動や“重労作”です。
激しい運動は、それだけ筋に強い負荷をかけ、筋の損傷や炎症を引き起こします。
もう一つは、“長時間の不良肢位”や“同一姿勢の保持”です。
強く激しい運動ではないものの、持続的な筋の収縮は、筋障害を引き起こす要因となります。
「筋・筋膜性腰痛症」の症状は?
「筋・筋膜性腰痛症」の症状は、
“疼痛”です。
急性の疼痛は、発赤や熱感が出現しますが、
慢性に生じる場合には、
“重だるい感じ”や“ズーンとした鈍痛”が特徴として生じます。
一般に”こり”と言われる圧痛点が生じることもあります。
これは別名、トリガーポイントと呼ばれ、過剰に血流が阻害された部位です。
「筋・筋膜性腰痛症」の治療法は?
「筋・筋膜性腰痛症」に対する治療法は、
筋の過剰な緊張や炎症を抑制することが必要です。
そのため、そもそも原因として考えられる誘因を排除しながら、
以下のような保存的な治療を組み合わせて実施します。
【薬物療法】
一般に用いられるものは、“湿布”などの消炎鎮痛作用を有するものです。
クリームや軟膏などの塗り薬なども用いられます。
【運動療法】
運動療法は、ストレッチやマッサージ、リラクゼーションなど、筋の緊張を緩めるための手段です。
主に理学療法士などが専門としています。
詳しくはこちら
→「筋・筋膜性腰痛症」に対するリハビリテーションの方法は?
【物理療法】
物理療法では、主に“温熱療法”が適応となります。
ホットパックなどを用いて、筋の緊張緩和とともに血流の改善を促進します。
最終的な治療手段としてこちらも有効です。
→腰痛に対する「ブロック注射」って効果があるの?対象疾患とは?
まとめ
今回は、「筋・筋膜性腰痛症」の原因や症状、治療法などについて解説しました。
数ある”腰痛症”の中でも、最も多いタイプの腰痛と言えます。
ちょっと長く椅子に座っているだけでも、
「アイタタタタ…」
と、日常茶飯事では?
そんな時は、数十分に一度では、
背中の曲げ伸ばしや、一度立って伸びをするなどの予防を行いましょう。
腰部に生じる疾患はこちらも注意
→腰部脊柱管狭窄症とは?原因や症状、その治療方法は?
→腰椎圧迫骨折とは?原因や症状、治療方針は?
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