「ペルテス病」の診断方法や病期分類とは?予後は良いの?
「ペルテス病」は、
小児期に罹患する整形外科疾患の一つです。
自然治癒する場合が多いものの、
比較的高頻度で後遺症を誘発する疾患です。
「ペルテス病」とは、
股関節を構成する大腿骨側の”大腿骨頭”が、
何らかの原因によって血流が途絶え、壊死する疾患です。
活発に動き回る年齢である
小児期(特に4〜8歳)好発し、
とりわけ男児に多いのが特徴です。
その症状は、股関節痛や跛行が出現します。
次第に一側下肢の筋萎縮が生じたり、
下肢の長さの左右差に気がついたりします。
通常は、小児期の旺盛な自然治癒力によって、
2〜3年で回復するといわれていますが、
場合によっては、装具療法や手術療法も必要となります。
装具療法に関する詳しい記事はこちら
→「ペルテス病」に対する装具療法とは?装具の名前は?
何よりも治療の遅れは、
将来的な後遺症の可能性を誘発するため、注意が必要です。
そこで今回は、「ペルテス病」の診断方法や病期分類、そしてその予後について解説します。
「ペルテス病」の原因や症状、治療法などはこちら
→「ペルテス病」ってどんな病気?原因や症状、治療法は?
「ペルテス病」の診断方法とは?
「ペルテス病」が疑われる際には、
本人や親がその異変に気がついて受診する場合が殆どです。
最初の診断では、疼痛などの聴取に加えて、
股関節の可動性や脚長差などを確認します。
それでも疑わしい場合には、
画像診断を行います。
X線(レントゲン)検査などで骨頭の壊死や変形を観察することが可能ですが、
症状が軽い場合には不明瞭となることがあります。
その際には、MRI検査を行うことで初期の異常も確認することが可能です。
「ペルテス病」の病期分類は?
「ペルテス病」には、
症状の病期を分類する方法があります。
【初期】
骨端核の壊死が始まって1ヶ月以内の状態。
炎症症状を認め、関節の腫脹や関節液の貯留が生じる。
【壊死期】
骨端核の壊死がX線上でも明らかな時期であり、関節間隙が拡大します。
骨端核の1/2を超える範囲に壊死が拡大すると、骨頭の圧潰が起こりやすくなり、骨頭の圧潰で骨端核が扁平化し外側亜脱臼を起こすことがあります。
【再生期】
壊死発症から2~3年頃の時期で、骨端軟骨の壊死層が吸収され、新生骨に置換されます。
骨が脆弱であるこの時期に力学的な負荷が加わると、骨頭の圧潰が起こる可能性があります。
【修復期】
発症から3~4年経過した時期で、骨新生が進み修復が完了します。
「ペルテス病」の予後は?
自然回復にも期待出来る「ペルテス病」ですが、
少なからず、変形などを生じている場合が多いです。
そのような変形が、後々後遺症として、
【変形性股関節症】などの疾患を誘発するのです。
→変形性股関節症って治るの?原因や症状、治療方法とは?
→変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?
発症が5歳未満は予後は良好とされていますが、
必ずしも後遺症が残らないわけではありません。
少しでも後遺症の可能性を少なくするためには、
早期発見・早期治療が非常に重要な疾患なのです。
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