変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?

    
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変形性膝関節症の代表的な治療方法として、

「手術療法」があります。

 

日本でも多くの方が施行されており、

主に除痛が期待出来る方法です。

 

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変形性膝関節症の治療方法として挙げられるのは、

・手術療法
・薬物治療
・リハビリテーション
・日常生活動作指導

などが挙げられます。

 

 

しかしながら、根治的な治療方法としては、基本的に「手術療法」しかありません。

変形性膝関節症の病態などに関する詳しい情報はこちらを参照ください!
変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?

 

 

その中でも、代表的な手術方法としては、

【全人工膝関節置換術(Total Knee Plasty : TKA)】

が挙げられます。

文字通り、磨耗した軟骨ごと、人工の関節に置換する手術療法です。

 

 

TKAを行うことによって、どのような効果が期待できるのでしょうか!?

 

そこで今回は、変形性膝関節症の手術療法「TKA」について解説します。

また、他の手術の種類などについても紹介します。

人工関節置換術後の身体障害者手帳の取得できる?できない?

全人工膝関節置換術(Total Knee Plasty : TKA)ってどんな手術?その効果は?

人工膝関節置換術(以下:TKA)は、アメリカにおいて、年間50万人以上の患者に施行されている手術療法です。

2030年には、300万人以上に増加するという試算もなされています。

日本においても、年間8万人以上が行っており、高齢社会を迎える現在でも増加の一途をたどっています。

 

人工膝関節置換術の対象となる変形性膝関節症ですが、その重症度が軽度の場合は、保存療法が適応になることもあります。

しかしながら、ある程度の重症度となった場合に、手術療法が適応となるのです。

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写真のように、膝関節の内側の骨同士の磨耗から、隙間が消失しています。

このような場合は、強いO脚変形を呈すとともに、特に荷重時の膝内側痛が主症状として出現します。

手術療法の適応となり、TKAを施行した場合は、以下のような変化が生じます。

 

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膝関節を構成する大腿骨の下部と、脛骨の上部が人工の関節に置換されています。

これによって、骨同士の当たりが減少し、荷重時の除痛が効果として得られます。

その他にも、関節可動域の向上や、変形の是正などの効果も現れますが、これには手術後のリハビリテーションが重要となります。

 

変形性膝関節症のリハビリテーションに関する記事はこちら
変形性膝関節症とは!手術やその後のリハビリは?

 

 

 

人工物ってどんな素材で構成されているの?

最近の人工関節は、主に4つのパーツに分かれています。

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(1)大腿骨コンポーネント

膝関節の上面を構成する大腿骨側には、コバルト合金やセラミックを用いた大腿骨コンポーネントが使用されます。

(2)サーフェス

膝関節下面を構成する脛骨の上部の上に乗るのは、このサーフェスで、ポリエチレンでできています。

(3)脛骨ベースプレート

サーフェスを支える土台となる部分で、チタン合金でできています。

(4)膝蓋骨コンポーネント

ポリエチレン製で膝蓋骨の代わりとなります。

 

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手術時間や入院期間は?

たいていの場合、その手術時間は、片側の場合2〜3時間程度とされています。

入院期間に関しては、術後のリハビリテーションの進行具合や、病院(医師)の方針によって変わってきます。

早ければ1週間程度で退院する病院もあれば、2ヶ月程度しっかりとリハビリテーションを行ってから退院する場合もあり様々です。

 

 

 

TKAの耐用年数は?

「TKAは一回行ったら、もうやらなくて良いの?」

これは、多くの患者様から聞かれる質問です。

 

個々の運動量や動作方法などによっても異なりますが、

一般に3/4程度の患者様は20年程度耐用できると言われています。

 

ただし、習慣的に膝をつくような姿勢をとったり、激しい登山を行った場合などは、TKAの寿命を縮めたり破損の恐れもあるのです。

出来ること、出来ないことは、専門の医師や執刀医に必ず確認するようにしましょう。

参考程度にこちらをご参照ください!
人工膝関節全置換術(TKA)|正座や膝立ち、走る事は出来る?

 

 

 

他にも手術の種類があるの?

変形性膝関節症に適応される手術として、TKAの他には、

【人工膝関節内側置換術(以下:UKA)】も存在します。

 

日本人の場合、変形性膝関節をきたした際の膝の変形はO脚変形となります。

つまり、膝関節の中でも内側の骨が磨耗し、すり減っていくのです。

TKAは、膝関節すべてを置換したのに対して、UKAでは、半分の内側のみを置換します。

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TKAに比べてUKAの方が、手術侵襲や手術時間も少なく、

術後の疼痛も1/3程度と言われており、歩行獲得までの期間も短くなります。

 

詳しくはこちらから
UKAってどんな手術?TKAとは違うの?そのメリットは?

 

 

 

まとめ

今回は、変形性膝関節症の手術療法「TKA」について解説しました。
加えて、他の手術の種類などについても紹介しました。

 

手術の適応や種類は医師が決めることかもしれませんが、
手術は受ける側も医師任せではなく、正しい知識を持つことが重要です。

変形性膝関節症|ヒアルロン酸注射って効果があるの?

 

そのような積極的な治療により、術後のリハビリテーションや回復の程度が変わってくることも往々にしてあるのです。

膝関節の手術に関する疑問をお持ちの人の参考になれば幸いです。


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