足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)の原因や症状、治療法とは?
足の捻挫は、スポーツ選手にはつきものです。
一度発症すると、
「癖になる」
なんて聞いたことはありませんか?
足関節捻挫とは、どのような病態なのでしょうか!?
足関節捻挫は、
正式には、「足関節外側靭帯損傷」と言います。
足関節外側靭帯損傷は、スポーツなどに頻発する外傷で、
足を内側へ捻る(内反)ことで生じる靭帯の損傷です。
多くの足関節捻挫がこのように内反捻挫ですが、
ごく稀に、外側へ捻る(外反)によって生じる捻挫もあり、足関節内側靭帯損傷と言います。
足関節外側靭帯損傷は、急性期より、
腫脹や疼痛が生じますが、
骨折がない限り再び歩行が可能となる場合が多いです。
しかしながら、伸長または断裂した靭帯は自然回復することはなく、
何度も捻挫を繰り返すようになります。
重症度によりますが、スポーツ復帰などを目指す場合や、高度の不安定性が残存する場合に行われるのが、【手術療法】です。
靭帯の再建術が最もメジャーな方法です。
今回は、「足関節外側靭帯損傷」の原因や症状、治療法などを解説します。
足関節外側靭帯とは?
足関節外側靭帯は、足関節の外側に位置する靭帯であり、
前方から前距腓靭帯(ATFL)、踵腓靭帯(CFL)、後距腓靭帯(PTFL)の三つがあります。
各靭帯は、
前距腓靭帯:2mm
踵腓靭帯・後距腓靭帯:6mm
の厚さを持ち、前距腓靭帯が構造上最も脆弱です。
足関節外側靭帯損傷の原因は?
足関節外側靭帯損傷とは、
バレーボールやバスケットボールなどの、急な方向転換やジャンプでの着地の際に好発するスポーツ外傷です。
足関節が底屈+内返し(=内反)した際に受傷しやすく、
この際には、前距腓靭帯を損傷する場合が殆どです。
ついで踵腓靭帯や後距腓靭帯ですが、これらの単独損傷は稀で、
前距腓靭帯+踵腓靭帯の複合損傷を認めます。
足関節外側靭帯損傷の症状は?
足関節外側靭帯損傷を受傷すると、
完全断裂の場合、重度の腫脹や疼痛が生じ、歩行が困難となります。
時間経過とともにこれらの炎症は治まりますが、
損傷した靭帯は自然回復をすることはありません。
そのため、特に内反方向への不安定性が残存し、
内反捻挫を繰り返すことになります。
特にスポーツなどの激しい運動では注意が必要で、
靭帯の効かない不安定な足関節は、骨や筋肉まで痛める原因にもなります。
足関節外側靭帯損傷の治療は?
足関節外側靭帯損傷の場合、損傷のタイプにもよりますが、
重度の場合には、【靭帯再建術】が行なわれます。
関節鏡視下での手術療法や、自家腱(薄筋腱)を用いた再建術が行なわれます。
靭帯損傷の重症度分類はこちら
→足関節捻挫(足関節外側靭帯損傷)の分類や手術適応とは?
保存療法としては、
リハビリテーションや、サポーターなどを使用した装具療法などを実施します。
特にリハビリテーションにおける運動療法では、再発防止に向けた足関節周囲筋の筋力増強や動作パターンの修正などを行います。
適切な治療が行われれば、もちろんスポーツ復帰が可能となります。
→足関節外側靭帯損傷(足関節捻挫)に対するリハビリテーションとは?
受傷後早期の対応はこちら
→RICE(ライス)処置とは?その目的や効果は?
まとめ
今回は、「足関節外側靭帯損傷」の原因や症状、治療法などを解説しました。
受傷しても、
「歩けるし」「生活に支障ないし」などといった理由で放置する人も少なくありません。
とりわけ活動量が低い場合には、特別な治療が必要ない場合もありますが、
二次的障害を招くリスクも非常に高いので、早めの受診をおすすめします。
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