腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランジン製剤(PG)の効果とは?
腰部脊柱管狭窄症は、
脊髄の通り道である脊柱管の狭窄によって起こる疾患です。
脊柱管の狭窄は、脊髄を圧迫し、下肢の疼痛や痺れ、感覚障害などの症状を呈します。
リハビリテーションや装具療法、手術療法など多くの治療方法がある中で、
プロスタグランジンE1製剤療法(PG療法)という治療法をご存知ですか!?
腰部脊柱管狭窄症は、
“脊髄の通り道である脊柱管が腰椎のレベルで狭窄することで、脊髄を圧迫し、下肢を中心とした神経症状を呈す疾患”
です。
多くは、60歳以上の高齢者に好発するため、局所の症状が日常生活活動動作を高度に制限することも少なくありません。
腰部脊柱管狭窄症に関する詳細な記事はこちらを参照下さい!
→腰部脊柱管狭窄症とは?原因や症状、その治療方法は?
腰部脊柱管狭窄症の治療方法は大きく分けて二つに大別されます。
・保存療法
・手術療法
です。
手術療法は保存療法で症状が治まらなくなった際に適応となり、通常は第一選択として【保存療法】が適応となります。
腰部脊柱管狭窄症の手術療法に関する記事はこちらを参照下さい!
→腰部脊柱管狭窄症における手術療法の種類や方法とは?
一概に【保存療法】と言っても、リハビリテーションや装具療法、薬物療法と様々な方法がありますが、低侵襲で大きな効果が得られる方法として知られているのは、
【プロスタグランジンE1製剤療法(PG療法)】です。
今回は、腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランジンE1製剤療法(PG療法)の効果について解説します。
プロスタグランジンE1製剤療法とは?
プロスタグランジンE1製剤は、どのような薬なのでしょうか!?
プロスタグランジンE1製剤は、
・強力な末梢血管拡張作用
・血小板凝集抑制作用
を持つ製剤です。
血栓の生成を抑制したり、血管を拡張することで血流を改善させる作用を持つのです。
腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランジンE1製剤療法の効果は?
腰部脊柱管狭窄症は、
“脊柱管が狭窄し、その中を通る脊髄を圧迫することで、下肢を中心とした神経症状が出現する疾患”です。
間欠性跛行に代表されるように、長時間の立位や歩行によって脊髄の圧迫が強まり、神経だけでなく、その中を通る血管までもを圧迫し、症状を悪化させるのです。
それに対して、プロスタグランジンE1製剤の、
・強力な末梢血管拡張作用
・血小板凝集抑制作用
は、脊髄の血管を広げて、血流を改善させることで、
間欠性跛行距離の延長や痺れや痛みなどの症状を緩和する効果を示すのです。
プロスタグランジンE1製剤投与の実際は?
では、プロスタグランジンE1製剤はどのように投与するのでしょうか!?
病院などでは、入院期間を設け、【点滴静脈】を行います。
約2時間の点滴治療を1日2回、2週間程度継続します。
プロスタグランジンE1投与期間中にはリハビリテーションによる運動療法も併用することでその効果を高めると同時に、効果を確認することもできます。
腰部脊柱管狭窄症に対するリハビリテーションの記事はこちら
→腰部脊柱管狭窄症のリハビリテーションの方法やポイントは?
おおよそ、7割程度の方に症状の改善が認められると言われます。
しかしながら、点滴終了後の持続については個人差があるようで、
中には「もう治った」なんていう人もいれば、
一ヶ月後に悪化して「結局手術を受けた」という人もいるので効果の程度は人それぞれといえるでしょう。
腰部脊柱管狭窄症は分類やタイプによっても症状の出方が異なります。
→腰部脊柱管狭窄症の分類やタイプは?
まとめ
今回は、腰部脊柱管狭窄症に対するプロスタグランジンE1製剤療法(PG療法)の効果について解説しました。
必ずしも効果があるとは言えないですが、低侵襲でリハビリテーションやその他の治療との併用も可能であることから有効な治療法といえます。
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