後十字靭帯損傷の徒手的検査法とは?
後十字靭帯損傷は、膝関節の安定に寄与する後十字靭帯の損傷です。
診断には、画像診断(MRI)が用いられますが、
徒手的検査法でも鑑別が可能です。
後十字靭帯損傷は、
“大腿骨の後方から脛骨の前方へ付着する後十字靭帯の損傷”です。
前十字靭帯と交差するように巻きつく後十字靭帯は、
前十字靭帯の2倍の大きさと、2倍の力学的強度を有します。
そのため、簡単に損傷するものではなく、多くは、
・交通外傷
・スポーツ外傷
など、激しい衝突が受傷機転となります。
後十字靭帯損傷に関する記事はこちらもどうぞ
→後十字靭帯損傷とは?原因や症状、その治療法は?
後十字靭帯損傷の診断方法には、
「受傷機転」や「炎症症状」の徴候からある程度の判断は可能ですが、
確定診断には、【MRI】が用いられます。
しかしながらそれだけではなく、
徒手的な検査方法にて診断が可能です。
特に理学療法士などの徒手療法を生業とする人は、
是非とも熟練をしたいところ。
そこで今回は、後十字靭帯損傷の徒手的検査法を紹介します。
前十字靭帯損傷の徒手的検査法はこちら
→前十字靭帯損傷における徒手的検査法とは?
Contents
後十字靭帯損傷の徒手的検査法
後十字靭帯損傷の徒手的検査法には、代表的な方法として以下の方法があります。
・サギング徴候
・グラビティーテスト
・後方引き出し徴候
・reversed jerk test
・後外側回旋不安定性テスト
サギング徴候
肢位:背臥位で膝を90°屈曲して膝を立てる
判別:健側と比して、脛骨上端が陥凹していれば【陽性】
グラビティーテスト
肢位:背臥位で膝、股関節ともにを90°屈曲となるように足部を保持する
判別:健側と比して、脛骨が重力で下方へ落ち込んでいれば【陽性】
後方引き出し徴候
肢位:背臥位で膝を90°屈曲して膝を立てる
操作:脛骨上端を保持して前後動揺を確認する
判別:後方への不安定性があれば【陽性】
reversed jerk test
肢位:背臥位とする
操作:一方の手で膝を把持し、膝関節を45°以上屈曲させ、他方の手で下腿を外旋させる。さらに、膝に外反力を加えながら徐々に伸展させる
判別:完全伸展となる直前に「カクン」とする整復感で【陽性】
後外側回旋不安定性テスト
肢位:背臥位で膝を90°屈曲とする
操作:脛骨上端を保持し、後外側方向への動揺性を確認する
判別:腓骨頭が後外側へ偏位すれば【陽性】
後十字靭帯損傷のリハビリテーション
→後十字靭帯損傷の保存療法!リハビリテーションの方法は?
まとめ
今回は、後十字靭帯損傷の徒手的検査法を紹介しました。
いずれの方法も、筋の防御性の収縮を極力抑制した中で行う必要があります。
そういった意味でも熟練した技術が必要かもしれません。
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