大腿骨頸部骨折の診断や分類方法は?Garden分類とは?
大腿骨頸部骨折は、年間10万人以上が受傷している外傷性の疾患です。
高齢化社会を迎える我が国にとって、今後もますます増加の一途をたどるとされています。
主な治療法には、【手術療法】がありますが、
重症度によってどのような手術が適応となるかが変わるのです。
大腿骨頸部骨折は、股関節の付け根である大腿骨の頸部の骨折です。
多くは、70歳以上の高齢者に頻発し、とりわけ女性に多発します。
大腿骨の中でも、特段細くなっていること、高齢者であることから骨の脆弱性を呈していることなどから、軽微な転倒によっても容易に骨折を引き起こしてしまうのです。
大腿骨頸部骨折に関する詳しい記事はこちら
→大腿骨頸部骨折とは?原因や症状は?治療方針は?
代表的な手術方法には、
・人工骨頭置換術
・骨接合術
などがありますが、年齢や活動度、そして重症度によって適応が異なるのです。
それではどのようにして重症度を判断しているのでしょうか!?
大腿骨頸部骨折の手術療法に関する記事はこちら
→大腿骨頸部骨折の手術療法の種類は?人工骨頭置換術とは?
大腿骨頸部骨折の診断には、一般的にX線画像(レントゲン画像)が用いられています。
※それでも分からない場合などはMRI検査も必要となります。
それらの画像所見をもとに、大腿骨頸部骨折の重症度が分類されるのです。
日本で最も用いられている分類法は、
【Garden分類】です。
今回は、大腿骨頸部骨折の診断方法や分類方法について詳しく解説します。
大腿骨頸部骨折の診断方法は?
大腿骨頸部骨折の診断方法には、
・X線(レントゲン)
・MRI
・CT
などが用いられます。
大抵の場合は股関節の2方向からのX線で診断される場合が多いです。
しかしながら、脆弱性骨折(明らかな受傷機転がない場合など)などでは、はっきりとした骨折線が見えない場合もあります。
そのような場合には、MRIやCTなどの検査が必要となるのです。
そして、その画像診断をもとに、重症度分類がなされるのです。
大腿骨頸部骨折の分類方法は?
大腿骨頸部骨折の分類方法として、最も有名なのは、
【Garden(ガーデン)分類】です。
Garden分類は、骨折部の転位の大きさと方向で分類されます。
StageⅠ・Ⅱは、転位のない骨折
StageⅢ・Ⅳは、転位のあり骨折です。
以下に各Stageごとの詳細な特徴を記載します。
【Stage Ⅰ】
不全骨折で内側で骨性の連続が残存している。
外側陥入型で安定性は高い。
【Stage Ⅱ】
軟部組織の連続性は残存している。
陥入型の完全骨折である。
【Stage Ⅲ】
Weitbrecht支帯の連続性が残存している。
【Stage Ⅳ】
すべての軟部組織の連続性が絶たれている。
整復が困難で、骨癒合の期待も少なく、骨頭壊死に発展する可能性が高い。
StageⅠ・Ⅱでは、骨接合術が、
StageⅢ・Ⅳでは、人工骨頭置換術が施行される場合が多いです。
※年齢や個々の活動度にも左右されるので一概には言えません。
大腿骨頸部骨折に対するリハビリテーションの詳しい記事はこちら
→大腿骨頸部骨折の手術後のリハビリテーションの内容は?期間はどのくらい?
大腿骨転子部骨折の分類方法はこちら
→大腿骨転子部骨折の診断や分類方法は?Evans分類って何?
まとめ
今回は、大腿骨頸部骨折の診断方法や分類方法について詳しく解説しました。
骨折線もわずかで医師も気づかないなどの場合もあるようです。
その場合でも、症状としては骨折の所見があるので、転倒後などで疑わしい場合は必ず医師を受診するようにしましょう。
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