若年性関節リウマチ(若年性突発性関節炎)とは?関節リウマチとの違いは?
「若年性関節リウマチ」という疾患をご存知ですか!?
文字通り、若くして罹患する疾患です。
既存の関節リウマチとはどのような点で異なるのでしょうか?
「若年性関節リウマチ」は、
別名:若年性突発性関節炎
と呼ばれています。
「若年性関節リウマチ」という呼び名は、以前使われていたもので、
現在では、若年性突発性関節炎が正しい名称となります。
若年性関節リウマチは、
“16歳以下の小児期”に発症する慢性の関節炎です。
大人に発症する関節リウマチとの相違点は、
この発症する年齢でありますが、
成長期に発症することもあり、その症状や後遺症などには幾つかの違いもあります。
ちなみに大人の関節リウマチはこちら
→関節リウマチってどんな疾患?その原因や症状、治療方法は?
→関節リウマチの原因や、その病態とは?
そこで今回は、
この若年性関節リウマチについて、
原因や症状、治療法を解説します。
若年性関節リウマチとは?
若年性関節リウマチは、
近年では、若年性突発性関節炎という名称で呼ばれています。
既存の関節リウマチが小児期である16歳以下で発症したものと考えられており、
発症年齢は、3歳と8歳に二峰性となるピークがあります。
男子に比しやや女子に多く、全国では約1万人の罹患者がいると言われています。
類似疾患はこちら
→悪性関節リウマチとは?関節リウマチとは違うの?
若年性関節リウマチの原因は?
若年性関節リウマチの詳しい原因は明らかになっていません。
しかしながら、
既存の関節リウマチでもそうであるように、
何らかの遺伝的な要因によって発症しやすい体質が遺伝します。
そこに、ウイルス感染や外傷、ストレスなどの環境要因が加わることで発症すると言われています。
若年性関節リウマチの症状は?
若年性関節リウマチの症状は、病型によって少し異なります。
どのタイプにも共通するのは、【関節の炎症】です。
これらは、関節リウマチと同様で、
関節の疼痛や腫脹、変形などの症状を呈します。
関節リウマチの詳しい症状はこちら
→関節リウマチとは?どのような症状がある?
【全身型】
全身型は、発熱や発疹を主症状とし、初期には関節炎は目立ちません。
弛張熱と呼ばれる、日内差のある発熱が特徴です。
また、リンパ節の腫脹や肝障害、心膜炎などの全身症状が生じることも有ります。
【小関節型】
4つ以下の関節の炎症を認めるものです。
出現する症状は、成人の関節リウマチに酷似しており、関節の炎症を認めます。
ぶどう膜炎と呼ばれる目の合併症などを引き起こしやすいとされています。
【多関節型】
5つ以上の関節の炎症を認めるものです。
こちらも、成人の成人の関節リウマチに酷似していますが、
全身症状として、微熱、倦怠感、食欲不振などを伴うこともあります。
若年性関節リウマチの治療は?
若年性関節リウマチの治療方法も、
成人の関節リウマチと酷似しており、基本的に第一選択となるのは、
【薬物療法】です。
非ステロイド性抗炎症薬や抗リウマチ薬、
さらには、生物学的製剤の投与によって、長期的な視点で治療を行います。
他関節型の病型を有する場合は、予後は良くないと言われていますが、
治療した患者の50%以上は寛解すると言われています。
治療中においても、
手指や手、足趾などの変形などをきたさぬよう、
リハビリテーションによる治療も併用して行う必要があります。
→関節リウマチのリハビリテーション!炎症期の運動療法とは?
→関節リウマチのリハビリテーション!非炎症期の運動療法とは?
まとめ
今回は、若年性関節リウマチについて、原因や症状、治療法を解説しました。
若くて発症するとは、まさか思っていませんよね!?
慢性の経過をたどることもあり、
心身のみならず、社会的な支援までもが重要となり、様々ん職種のサポートのもと、
包括的な治療を行なっていくことが重要です。
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