サッカー選手の職業病「グロインペイン症候群」とは?
“スポーツには怪我がつきもの”
とはよく言ったものですが、
各々のスポーツの特性に沿った外傷や障害が生じます。
「グロインペイン症候群」をご存知でしょうか!?
“サッカーの職業病”とも言われるほど、
サッカー選手を苦しめている疾患なんです。
「グロインペイン症候群」は、
“股関節の付け根の部分である鼠径部に生じる痛みや障害の総称”
です。
別名:鼠径部痛症候群とも言われています。
「グロインペイン症候群」を発症する患者の約7割がサッカーを行なっている人ですが、
駅伝や野球、アメフトやラグビーなどで生じる人もおり、
年齢や性差はありません。
股関節周辺に存在する筋肉や骨への過負荷や、何らかの誤った協調運動などによって、
機能障害が生じるのです。
そこで今回は、サッカー選手の職業病と言われる「グロインペイン症候群」について解説します。
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「グロインペイン症候群」とは?
「グロインペイン症候群」は、
別名:鼠径部痛症候群とも言われています。
症候群と呼ばれるのは、
鼠径部に生じる障害の総称であるため、具体的には、
・恥骨結合炎
・スポーツヘルニア
・内転筋腱障害
・腸腰筋機能障害 etc
などが含まれます。
そもそも鼠径部というのは、
股関節の前面の付け根の部分であり、
内転筋や腸腰筋といった下肢を動かすための主要な筋肉が存在する部分でもあります。
「グロインペイン症候群」の原因は?
「グロインペイン症候群」の原因は、
サッカーなどでいう“片足で立ってキックをする”動作そのものが誘引となります。
下肢でボールを蹴るというのは、
体幹または骨盤と下肢を繋ぐ筋である“内転筋”や“腸腰筋”などが強力に作用します。
これらの筋の柔軟性の低下は、筋の付着部に炎症をきたすことがあります。
また、股関節自体の可動性の低下や、動作フォームの不良なども、
特定の筋の過負荷を招くため、発症の要因となるのです。
「グロインペイン症候群」の症状は?
「グロインペイン症候群」の症状は、
個々の疾患により若干の違いがありますが、
走ったり、ボールを蹴ったり、足を上げたりする際に生じる、
鼠径部や、その周辺の“疼痛”です。
痛みの生じている部位によって、
原因が筋なのか、はたまた腱なのか、そして何筋なのかなどの原因の特定に繋がります。
「グロインペイン症候群」の治療法は?
「グロインペイン症候群」の治療は、
基本的には“安静”にすることが重要です。
特に疼痛が強い炎症期には、
原因となる動作を行うことをやめ、回復を待つ必要があります。
その間に、原因となった筋のストレッチによる柔軟性の改善や、関節可動域の改善、
動作フォームの改善に必要な種々の筋の筋力トレーニングなどを行うと良いでしょう。
これらは、各々の原因によって行うことも変わるため、
理学療法士などの専門家の指導のもと、取り組むことが最善です。
安静にすると早期に疼痛が減少することから、
すぐにスポーツに復帰することが多いのですが、根本的な原因が解決されなければ、再発するのも時間の問題です。
焦らずに完治させるまではきちんと休むことも重要なんです。
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