「膝蓋軟骨軟化症」の原因や症状、治療法とは?サポーターが有効?
膝関節周囲の痛みの中でも、
膝蓋骨を主体とした病態を持つ疾患に、
「膝蓋軟骨軟化症」があります。
スポーツ障害の一つとして数えられ、
ランナーなどのオーバーユースには注意が必要です。
「膝蓋軟骨軟化症」は、
“膝蓋骨と大腿骨間の軟骨の軟化や磨耗”
が生じる疾患です。
膝関節は、
脛骨と大腿骨間で形成される他にも、
膝蓋骨と大腿骨で形成される“膝蓋大腿関節”が存在します。
繰り返される膝関節の屈伸運動や、
膝関節に加わる負荷や衝撃によって、
膝蓋骨と大腿骨の力学的なストレスが増加することで、
軟骨の軟化や磨耗、そして膨隆や亀裂が生じるのです。
主な症状は膝蓋骨に感じる違和感から、
徐々に疼痛の症状が出現し、
スポーツなどの継続を困難なものにします。
そこで今回は、「膝蓋軟骨軟化症」の原因や症状、治療法について解説します。
「膝蓋軟骨軟化症」とは?
「膝蓋軟骨軟化症」は、
大腿骨と膝蓋骨で形成される“膝蓋大腿関節”の障害です。
繰り返される力学的ストレスによって、
軟骨の軟化や膨隆、亀裂などが生じる疾患です。
好発年齢は、
10〜20代であり、の女性に多く発症します。
通常は一側のみですが、
稀に両側に生じる場合もあるそうです。
「膝蓋軟骨軟化症」の原因は?
「膝蓋軟骨軟化症」は、
一次性の発症は少なく、多くは二次性に生じる疾患です。
特にスポーツなどで繰り返される膝関節の運動や、
オーバーユースが原因となる場合が多く、
力学的な負荷が引き金となります。
ただし、好発年齢からも分かるように、
成長期であり筋や骨の急速な発達によるそれらのアンバランスや、
女性特有のホルモンの影響による関節の緩みなどの素質もリスクファクターとしてあげられます。
同時に、扁平足や外反膝(X脚)なども発症しやすい原因とされています。
「膝蓋軟骨軟化症」の症状は?
「膝蓋軟骨軟化症」の症状は、
初期には“キャッチング”と呼ばれる、
「膝蓋骨が引っかかる感じ」という違和感が生じます。
この時点では疼痛は伴わないことも多いですが、
徐々に疼痛が生じ、日常生活においても
階段昇降などに困難を呈すようになります。
当然のことながら運動の継続は困難となります。
この時には、膝が軋むことや、膝が崩れるような現象も出現します。
「膝蓋軟骨軟化症」の治療法は?
「膝蓋軟骨軟化症」の治療は、保存療法が第一選択です。
“安静を保つ事”による症状の緩和を図ります。
つまり根治的な方法はないという事で、
発症の原因となった要因を一つづつ取り除いていく事が重要です。
サポーターなどを使用し、
膝関節に加わる負担を軽減するとともに、
必要な筋力の強化や、ストレッチングなどを行います。
また、扁平足が原因となる場合などには中敷やアーチパッドなどの使用も有効です。
それでも症状が緩和せず、
日常生活動作においても支障が出る場合には、
手術療法が適応となります。
手術療法では、
外側支帯剥離手術や、膝蓋軟骨の表面を滑らかにする手術、軟骨の移植手術などがあります。
「膝蓋軟骨軟化症」に関する記事はこちら
→「膝蓋軟骨軟化症」の診断方法や重症度分類、合併症とは?
スポンサーリンク