難病指定「強直性脊椎炎」に対するリハビリテーションとは?
「強直性脊椎炎」は、
我が国において難病指定を受けている疾患です。
根治的な治療法は存在しないのが現状ですが、
薬物療法と併用して、【リハビリテーション】を行うことが重要です。
「強直性脊椎炎」とは、
“脊椎が強直(固まる)する疾患”です。
この強直というのは、上下の脊柱が癒合し、固まってしまうことです。
原因は不明ではありますが、
発症者には、白血球の血液型である「HLA‐B27」が高率で陽性であることから、
何らかの関連が示唆されています。
初期症状としては、腰背部痛を認めます。
この時には、脊椎ではなく、仙腸関節や周囲の靭帯や関節包などの組織が炎症を起こします。
徐々に進行していくと、脊椎自体の強直が生じ、日常生活動作を高度に制限することがあります。
根治的な治療方法はないというのが現状ですが、
実際には“薬物療法”を中心とした進行の抑制に加えて、
日常生活動作を継続できるよう運動を中心とした【リハビリテーション】が重要です。
そこで今回は、難病指定されている「強直性脊椎炎」に対するリハビリテーションについて解説します。
「強直性脊椎炎」に関する詳しい病態はこちら
→難病指定疾患である「強直性脊椎炎」ってどんな病気?
「強直性脊椎炎」の症状の特徴とは?リハビリが有効?
「強直性脊椎炎」は、
脊椎のみならず、四肢の関節にも炎症が生じ、
次第に強直を引き起こし、重篤な関節可動域制限が生じます。
脊柱や四肢の近位関節の関節可動域制限は、
起立や着座、かがみ動作、床上動作をはじめとして多くの日常生活動作を阻害します。
また、症状に波があるのが特徴で、
日によっては“激痛”で動けない日もあるほどです。
しかしながら、「強直性脊椎炎」の症状の特徴の中に、
運動を中心としたリハビリテーションが効果を示す理由があります。
それは、“適度な運動は疼痛を軽減させる”ということです。
動かない方が疼痛が強くなるというのが特徴なんです。
「強直性脊椎炎」のリハビリテーションとは?
「強直性脊椎炎」に対するリハビリテーションの目的は、
“脊柱や四肢の関節の可動域を保ち、日常生活動作能力の維持・改善”
であると考えられます。
徐々に進行する強直に対して、
疼痛の生じない範囲での前後屈や側屈運動は、できるだけ早期から実施する必要があります。
病院に入院してリハビリテーションを受ける場合には、
理学療法士などの指導のもと、実践することが可能です。
自宅などで行う場合には、風呂上がりなどにストレッチを行うとより効果的です。
必ずしも大きな運動である必要はなく、
まずは、椅子に座ってゆっくりと背筋を伸ばしたり、曲げたりする運動などを行うと良いでしょう。
まとめ
今回は、難病指定されている「強直性脊椎炎」に対するリハビリテーションについて解説しました。
リハビリテーションの中心は、脊柱や四肢をきちんと動かすことであり、それこそが最も重要です。
同一肢位で、かつ寝たきりになるような生活習慣は、すぐにでも可動性の低下を招きます。
個人に適した強度の体操や運動を、理学療法士の指導のもと実践し、自宅などでも無理せず継続して行うことが重要です。
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