「脛骨高原骨折」に対するリハビリテーションとは?
「脛骨高原骨折(プラトー骨折)」は、
脛骨の荷重部分であるプラトー(=平原)の骨折です。
粉砕や陥没など様々な型を呈し、
治療方法も異なります。
また、機能回復や日常生活動作の再獲得には、
【リハビリテーション】が重要となります。
「脛骨高原骨折」とは、
脛骨の上面を形成する平坦な部分(プラトー)の骨折です。
荷重部であることから、
起立や歩行などをはじめとした日常生活動作に支障をきたします。
多くは、交通事故や高所からの転落などの外傷によって生じますが、
高齢者などでは、転倒などの軽微な外傷も受傷機転となります。
原因や症状の詳しい記事はこちら
→脛骨高原骨折(プラトー骨折)とは?原因や症状、治療法は?
脛骨高原骨折の治療方法は、
非転位型の場合には、「保存療法」が適応となりますが、
転位型の場合は、「手術療法」が必要です。
いずれの場合にも、
関節内の骨折であることから、関節可動域制限をきたしやすいことや、
免荷期間が長いために、全身的な機能低下をきたしやすいのです。
そのため、これらの機能回復や歩行などの日常動作の再獲得には、
【リハビリテーション】が必要となります。
「脛骨高原骨折」のリハビリテーションとは?
脛骨高原骨折のリハビリテーションでは、
その治療法によって、ややプロトコールも異なります。
・保存療法
・手術療法
双方を比較すると、免荷期間が異なることなどが挙げられます。
いずれの場合にも、
関節内骨折であることから、
免荷期間に関節可動域制限を作らないこと、
全身的な筋力や体力を低下させずに、荷重時期を迎えることが重要です。
リハビリテーションの実際
脛骨高原骨折における免荷期間は、
保存療法の場合、
3-4週程度の外固定の後、骨癒合が得られる8-10週程度で荷重を開始します。
一方で、手術療法の場合、保存療法よりやや早いことが多く、
6週間まで免荷とし、7週以降に荷重を開始します。
(いずれの場合も、骨癒合の状態を確認し、医師の指示によって決定します)
荷重開始後は、1週間ごとに1/3、1/2、2/3、そして全荷重といったように、
平行棒などを使用しながら徐々に荷重量を増加していきます。
免荷期間には、膝関節の拘縮予防のための関節可動域訓練を行います。
受傷または、術直後においては、
軸圧をかけないように、無理な関節可動域訓練は行わず、
組織の癒着防止などに重点をおきます。
具体的には、膝蓋下脂肪体や膝蓋上嚢の癒着防止のためのマッサージや、
膝蓋骨のモビラーゼーションなどを行います。
骨の癒合に合わせて徐々に膝関節の屈伸運動を進めていきます。
関節可動域訓練のみならず、
荷重に備えて、膝関節伸筋の筋力強化が重要です。
大腿四頭筋の中でも内側広筋は萎縮が生じやすく、
大腿四頭筋(クアド)セッティングなどは早期から自主訓練として行えるため、
指導し実践していきましょう。
まとめ
今回は、「脛骨高原骨折」に対するリハビリテーションについて解説しました。
関節内骨折であることから、
関節可動域制限をはじめとした後遺症が残存しやすい骨折です。
術後早期から、長い免荷期間を想定したリハビリテーションプログラムの設定と実践が重要です。
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