骨盤骨折のリハビリテーションとは?
「骨盤骨折」は、
上半身を支える土台となる“骨盤”の骨折です。
激しい疼痛を主症状とするため、
あらゆる動作に支障をきたします。
どのような治療を行うにしろ、
【リハビリテーション】によって回復を促進します。
“骨盤”は、
下肢と体幹をつなぐ土台であるとともに、
その中には多くの血管や神経が走行します。
そんな重要な骨である
「骨盤の骨折」は、
多くの場合、交通事故のような強力な外力によって生じます。
激しい疼痛はもとより、
場合によっては、
骨盤内の大量出血や神経損傷などの重篤な合併症を併発することもあります。
骨盤骨折の治療方法は、
・保存療法
・手術療法
と、重症度に合わせて選択されますが、
いずれにせよ【リハビリテーション】による機能または能力回復が必要です。
そこで今回は、骨盤骨折のリハビリテーションについて解説します。
骨盤骨折の詳しい記事はこちら
→骨盤骨折とは?原因や症状、治療法は?入院期間はどれくらい?
骨盤骨折のリハビリテーション
骨盤骨折に対するリハビリテーションでは、
・保存療法
・手術療法
などの治療選択によって
その内容も異なります。
その理由は、
運動を行うことによって骨盤のズレなどが生じる可能性もあるからです。
手術療法の場合は、固定力性が高いため、
早期に歩行を含めた荷重へ移行できる可能性もあります。
保存療法のリハビリテーション
保存療法のリハビリテーションの目的は、
“臥床に伴う筋力や関節可動域、体力などの低下を予防すること”です。
リハビリテーションでは、骨折の治癒を促進することはできません。
保存療法が適応となる安定型とはいえ、
早期の離床は、激しい疼痛を招く可能性があり、
個々の症例に合わせた離床時期の設定が必要です。
実際には、レントゲンを参考にしながら
医師の判断で離床時期が決まります。
離床までが長期となる場合には、
ベッド上での筋力訓練や関節可動域訓練が重要です。
離床が可能となり次第、
積極的に立位や歩行、日常生活活動動作の獲得に向けて、
動作訓練などを進めましょう。
手術療法のリハビリテーション
手術療法のリハビリテーションの目的は、
“臥床に伴う筋力や関節可動域、体力などの低下を予防に加えて、
手術侵襲からの回復”です。
多くの場合は、保存療法に比して早期の荷重が可能となります。
(重症度や手術侵襲により異なります)
日常生活動作の再獲得のために、動作訓練を進めることと、
手術侵襲による機能低下からの回復を促進する必要があります。
骨盤骨折の手術療法では、
その侵襲の程度も大きくなり、
筋肉の切開や皮切、場合によっては神経麻痺などを生じる可能性もあります。
個々の症例に合わせた筋力訓練や関節可動域訓練などを行い、
後遺症を残さないことを目指します。
まとめ
今回は、骨盤骨折のリハビリテーションについて解説しました。
身体の真ん中に位置する“骨盤”だけあって、
損傷した場合の回復期間などは他の疾患よりも、長く、そして重症である
と言えます。
中途半端な改善では、
二次的な障害を引き起こすこともあるため、
しっかりとリハビリテーションに励みましょう。
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