大腿骨頭壊死に対する手術療法とは?
「大腿骨頭壊死」は、
股関節の付け根の部分である、
大腿骨の骨頭が壊死する疾患です。
病状の進行は個人差がありますが、
最終的には【手術療法】が選択されます。
大腿骨頭壊死は、
大腿骨の骨頭が、何らかの要因で壊死し、
次第に脆弱化することによって圧壊する疾患です。
多くは、
ステロイド薬による影響や、
長年にわたるアルコールの摂取が原因となっていると言われています。
大腿骨頭壊死の原因や症状はこちらを参照ください!
→大腿骨頭壊死とは?その原因や症状、治療法は?
そんな大腿骨頭壊死ですが、
症状が進行すると、荷重関節としての本来の股関節機能を果たすことができず、
【手術療法】に至ります。
そこで今回は、大腿骨頭壊死に対する手術療法について解説します。
大腿骨頭壊死に対する手術療法とは?
大腿骨頭壊死に対する治療は、
予後が良いと判断できる場合には、「保存療法」が適応となります。
しかしながら、症状の進行や骨頭部分の圧壊が予測される場合には、
【手術療法】が選択されます。
大腿骨頭壊死に対する代表的な手術療法は、以下の二種類です。
・関節温存手術
・人工股関節全置換術
なお、関節温存手術の中にも幾つかの方法が存在します。
関節温存手術
関節温存手術は、比較的若く、股関節の可動性も高い人に適応となります。
いわゆる“骨切り術”と言われ、
骨を切ることで骨の角度を変え、骨の壊死した部分に体重がかからないように修正する方法です。
具体的には以下のような方法があります。
【大腿骨内反骨切り術】
大腿骨頭荷重部外側に残存している健常部を、
荷重部に移動させる方法です。
脚の短縮や骨癒合不全などの合併症が少ないと言われています。
【大腿骨頭回転骨切り術】
圧壊によって亜脱臼位となってしまった骨頭を、
求心位に修正することによって、関節の安定性を得る方法です。
大腿骨頭の荷重部位が大きく変化することから、
術後の後療法は、骨梁のリモデリングを待つ必要があると言われます。
リモデリングって何?
→骨折の治癒過程「リモデリング」とは?
人工股関節全置換術
人工股関節全置換術(THA)は、
壊死した大腿骨頭と、臼蓋を人工のインプラントに置換する手術です。
術後早期より歩行が可能であり、
病院の方針にもよりますが、2週間から4週間程度で退院が可能です。
ただし、幾つかの合併症が存在することや、
人工物の耐久年数が20年程度とも言われているため、
再置換が必要となる可能性も考慮しなければなりません。
人工股関節全置換術後の合併症やリスクはこちら
→人工股関節全置換術後の脱臼の原因や時期は?
→人工股関節置換術のリスクや合併症は?脱臼や血栓に注意!
まとめ
今回は、大腿骨頭壊死に対する手術療法について解説しました。
関節温存手術は、適応の幅が小さいこともあり、その手術機会を逃さないことが重要です。
ただ、関節温存術がならない場合でも、人工股関節全置換術を行うことで予後は良好と言われています。
大腿骨頭壊死のリハビリテーションの記事はこちら
→大腿骨頭壊死のリハビリテーションとは?
スポンサーリンク