(反復性)膝蓋骨脱臼とは?原因や症状とは?
“膝蓋骨”とは、
いわゆる膝のお皿のことです。
強打すれば骨折することは知られていますが、
実はこの膝蓋骨は、“脱臼”することもあるのです。
「膝蓋骨脱臼」とは、
膝の膝のお皿が脱臼することです。
膝蓋骨脱臼のほとんどが、“外側”に脱臼します。
もう少し医学的に説明すると、
“膝蓋骨関節軟骨面の中央隆起が大腿骨の外側上顆よりも外側に逸脱したもの”
であります。
脱臼時には、むろん強い疼痛や腫脹が出現します。
また、若い女性などでは再発率が非常に高く、およそ20-50%程度の人に再脱臼を認めます。
これを「反復性膝蓋骨脱臼」と言います。
今回は、(反復性)膝蓋骨脱臼の原因や症状などを解説します。
脱臼に関する基本的な知識はこちら
→「脱臼」ってどんな種類や症状がある?好発部位は?
(反復性)膝蓋骨脱臼とは?脱臼のメカニズムは?
(反復性)膝蓋骨脱臼は、
“膝蓋骨関節軟骨面の中央隆起が大腿骨の外側上顆よりも外側に逸脱したもの”です。
※外側上顆を超えない場合には、膝蓋骨の”亜脱臼”となります。
膝蓋骨の構造上、
脱臼の方向は外側となります。
膝の構造は、膝蓋骨が大腿四頭筋と呼ばれる強力な筋肉と連結しています。
そして、膝蓋骨を介して膝蓋腱となり、脛骨の粗面に付着しているのです。
この大腿四頭筋は、ジャンプの着地などで強く収縮します。
この際に、強力な大腿四頭筋の収縮力によって膝蓋骨が外側に引かれ、
かつ脛骨に捻じれの動きが加わった際に外側脱臼するのです。
画像で構造を見ると、少しイメージがつきやすいと思います。
膝蓋骨脱臼の原因は?
膝蓋骨脱臼の原因となるのは、
前述のように、スポーツなどによる運動が原因となります。
しかしながら、誰しもが同じ動きでなるわけではなく、
先天的に筋肉や骨の形態や位置異常を有している者に生じやすいのです。
以下に脱臼の素因となりやすい因子をまとめます。
・全身の関節弛緩
・膝蓋骨の過可動性
・内側、外側広筋の筋力の不均衡
・膝蓋腱付着部の外側偏位
・長脛靭帯の停止異常
・外反膝
・膝蓋骨高位
・膝蓋骨の形態異常
・大腿骨膝蓋面の平坦化
などなどが挙げられます。
これらの要素を有している場合には要注意です。
膝蓋骨脱臼の症状は?
膝蓋骨の脱臼が生じると、
膝関節の“疼痛”や“腫脹”が出現します。
当然ながら運動は困難となりますが、程度によっては歩くことは可能です。
また、一度治療を行い、完治したように見えても再発率が非常に高く、
(膝蓋骨の脱臼が起こった患者の20-50%に再脱臼が生じる)
再脱臼を繰り返していくうちに、徐々に痛みや腫脹は生じなくなり、
代わりに“膝の不安定性”を感じるようになります。
まとめ
今回は、(反復性)膝蓋骨脱臼の原因や症状などを解説しました。
頻回に生じる疾患ではないものの、
脱臼しやすい素因を有している場合には、反復する厄介な疾患です。
適切な治療や予防を行うことで、発症もしくは再発を予防していくしかありません。
次回は、(反復性)膝蓋骨脱臼の治療について解説します。
スポンサーリンク