関節ねずみって何?変形性膝関節症との違いは?
「関節ねずみ」って聞いたことがあるでしょうか!?
ねずみという名前がつきますが、
れっきとした関節疾患です。
スポーツ選手などでも罹患することがあり、
場合によっては選手生命を絶たれるリスクもあります。
「関節ねずみ」とは、
関節の中に、“軟骨”や“骨の欠片”が存在する疾患です。
実際には、関節内遊離体と呼ばれ、
関節内を自由に動き回る様から、関節ねずみという名称で呼ばれているのです。
このような遊離体は、
関節内を浮遊しているのですが、
広い空間を移動している分には、無症状のこともあります。
しかしながら、関節の狭い部分に引っかかったりすると
強い痛みや疼痛を引き起こすこととなるのです。
膝関節の疾患として代表的なものに
【変形性膝関節症】がありますが、
どのような違いがあるのでしょうか!?
そこで今回は、関節ねずみについて、生じる原因や症状、治療法などについて解説します。
関節ねずみとは?
関節ねずみは、
“関節内に骨の欠片や軟骨が関節内遊離体として浮遊している状態”です。
この遊離体は、関節内を移動し、
無症状のこともあれば、疼痛などの症状を発症することもあります。
関節ねずみの原因は?
関節ねずみが生じる原因は様々です。
・軟骨骨折
・剥離性骨軟骨炎
・滑膜骨軟骨腫症
・変形性関節症
・半月板損傷
などが原因となります。
とりわけ、軟骨骨折により生じるケースが多いとされ
好発部位は【膝関節】です。
多くは、「膝蓋骨脱臼」に伴うものが多く、
膝蓋骨の外側脱臼の際、または脱臼から元に戻る際に、
大腿骨外側顆と膝蓋骨との剪断力によって生じます。
それ以外の原因としては、スポーツや事故による微小骨折が引き金となりますが、
上述のように、変形性膝関節症などの疾患が誘因となる場合もあります。
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
関節ねずみの症状は?
関節ねずみの症状は、
遊離体が、関節の中でも狭い部分に入り込んだ時に生じます。
その症状とは、
・疼痛
・関節可動域制限
・水腫
などがあります。
特に代表的な症状として、
【ロッキング現象】があり、ドアのかんぬきを開けたように関節が動かなくなる現象です。
再び遊離体が移動した場合、それらの症状は消失しますが、
原因を取り除かない限り繰り返すこととなります。
関節ねずみの治療法は?
関節ねずみの治療法は、保存療法が選択される場合もありますが、
原因を除去するためには、【手術療法】が必要です。
手術は、「関節鏡視下手術」と呼ばれる
小さなカメラを関節内に入れて行う手術で、
低侵襲かつ短時間で行うことができます。
関節ねずみと変形性膝関節症との違いは?
関節ねずみが生じる原因の一つに、
【変形性膝関節症】があります。
関節裂隙の狭小化を主体とする変形性関節症とは、
異なる病態を呈すことが分かります。
しかしながら、疼痛などの症状は類似するため
素人判断では区別はつかないかもしれませんね。
また、関節ねずみを放置した結果、
変形性膝関節症が進行するといった関係性も認められます。
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
→変形性膝関節症に対する筋力トレーニングとは?自宅で出来る方法は?
まとめ
今回は、関節ねずみについて、生じる原因や症状、治療法などについて解説しました。
関節ねずみも、変形性膝関節症も
その診断にはレントゲンなどの画像診断が必要です。
初期の症状であれば、その治療も進みやすいため、症状があるのであれば早期の受診が重要です。
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