変形性膝関節症にヒアルロン酸注射は効果がある?
変形性膝関節症は、膝の軟骨の磨耗などの変性を主体とする骨・関節系の疾患です。
特に高齢女性に好発し、潜在患者は日本に約3,000万人いると言われています。
保存療法・手術療法と様々な治療法がありますが、よく言う
【ヒアルロン酸注射】って効果があるのでしょうか!?
平日の昼間の医院では、よくこんな会話が聞かれます。
「膝に注射したら痛くなくなったよ」
また、通い慣れている人なら、
「ヒアルロン酸を補充しに来た」
なんて人も見かけます!
変形性膝関節症は、
“関節軟骨の磨耗を主体とし、関節変形や荷重痛などを主症状とした、慢性で進行性の疾患”です。
特に高齢の女性に頻発し、歩行を中心とした日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
変形性膝関節症に関する詳しい記事はこちら
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
変形性膝関節症の治療方法は、大きく分けて2つです。
・保存療法
・手術療法
できる限り痛い思いをして手術はしたくないという方も多いでしょう。
保存療法の中で、一般的に知られているのは、
【ヒアルロン酸注射】ではないでしょうか!?
中には何十年と打ち続けており、「ちょっと中断すると痛くなる」と思い、盲目的に行っている人も多いのが現状かと思います。
そこで今回は、変形性膝関節症にヒアルロン酸注射は効果があるのかについて解説します。
変形性膝関節の診断方法はこちら
→変形性膝関節症とは?その診断や分類方法は?
変形性膝関節症が痛い理由は?
まず、変形性膝関節症になるとなぜ、膝が痛くなるのでしょうか!?
通常膝関節には、4-5mm程度の軟骨があり、上部の大腿骨と、下部の脛骨とをつなぐクッションの役割をしています。
しかしながら、年を重ね、骨粗鬆症やホルモンバランスの乱れなど、徐々に骨が脆弱となっていきます。
徐々に内反膝(O脚)が進行し、力学的にも軟骨がすり減っていくのです。
そして、軟骨が摩耗していく中で痛みが生じてくるのです。
この状態こそが変形性膝関節症です!
変形性膝関節症に関する詳しい記事はこちら
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
変形性膝関節症の治療法は?
変形性膝関節症の治療法は大きく分けて2つです。
・手術療法
・保存療法
です。
手術療法に関する詳しい記事はこちらを参照ください!
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→【変形性膝関節症】TKA術後のリハビリテーションって何をするの?
保存療法には、投薬治療やリハビリテーションなどがありますが、一般的によく知られているのは、
【ヒアルロン酸注射】ではないでしょうか!?
ヒアルロン酸注射とは?
ヒアルロン酸注射とは、
“軟骨の主成分であるヒアルロン酸”を関節内に直接注射をします。
通常の膝関節においても、骨と骨の間には、関節液で満たされていますが、この関節液の成分こそがヒアルロン酸です。
ヒアルロン酸には、軟骨を保護したり、炎症を緩和する作用があるとされています。
ヒアルロン酸注射は効果があるの?
実際に、40代をすぎると、徐々に関節内のヒアルロン酸は減少していくといわれています。
60代になると、もともと持っていたヒアルロン酸の量が1/4程度にまで減少するともいわれています。
そのため、関節内にヒアルロン酸注射を行い、ヒアルロン酸を補充することで、
直接的に潤滑剤・クッション材としての役割を果たし軟骨を保護する役割を担うのです。
よって、軟骨の磨耗を主体とした痛みに対してのヒアルロン酸注射は効果があるといえるでしょう。
しかしながら、
例えば、関節の変形に伴い歩き方(歩容)が悪くなったことによる特定の筋の筋肉痛などといったものには効果はないし、
手術適応になる程、軟骨の磨耗が進むんでいる場合などにも効果は少ないといわれています。
事実、ヒアルロン酸注射は、
・まずは、週に1回を5週続けて打つ
・次に、2週間に1回を5回~10回続けて打つ
・それで痛みが取れなければ、週1回に戻す
このような経過を3~4か月ほどかけて観察するそうです。
それでも効果がない場合には、手術療法を検討することもあるようです。
変形性膝関節症に関する記事はこちらもオススメです!
→変形性膝関節症にサポーターは効果がある?選び方のコツは?
→変形性膝関節症でO脚となる原因は?O脚は治るの?
まとめ
今回は、変形性膝関節症にヒアルロン酸注射は効果があるのかについて解説しました。
痛みが生じている原因と、ヒアルロン酸の持つ効果が適切に合致すれば非常に効果的な治療法だといえるでしょう。
しかしながら、盲目的にただ打っていれば良くなるわけでも治るわけでもありません。
もしくしたら手術をしなければならない時期が近づいている可能性もあります。
主治医に相談しながら適切な治療方法を選択していきましょう。
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