変形性膝関節症でO脚となる原因は?O脚は治るの?
立位でまっすぐ立った時に
「左右の膝同士がくっつきますか!?」
「ガニ股のように両膝が外に向いてはいませんか!?」
このような症状が当てはまる人は、いわゆる「O脚」です。
「O脚」は正式には、「内反膝」と言われ、大腿骨に対して脛骨が内側へ傾いている状態です。
すでに重度のO脚を呈している場合は、変形性膝関節症を有している場合が多いです。
もしくは今後、変形性膝関節症へ発展していく、診断される可能性があります。
変形性膝関節症は、関節軟骨の変性を主体とし、関節変形や荷重時の疼痛などを主症状とする慢性で進行性の疾患です。
変形性膝関節症に関する詳しい記事はこちら
→変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
近年、高齢社会を迎えている日本では増加の一途をたどっており、潜在患者数を含めると約3,000万人が有しているとも言われています。
日本においては、内側型の変形性膝関節症が大半を占めています。
これは、膝の内側の軟骨がすり減るがために、徐々に内側の関節が消失していきます。
この症状が進行していくと、いわゆる「O脚」の状態となってしまうのです。
そこで今回は、変形性膝関節症によって生じるO脚の原因や治療法などについて解説します。
果たしてO脚は治るのでしょうか!?
変形性膝関節症に関する記事はこちらもどうぞ
→変形性膝関節症とは?その診断や分類方法は?
「O脚」って何?
O脚は、まっすぐ立った時に左右の大腿や膝、下腿が離れており、一見してガニ股のような変形を呈しています。
正式には「内反膝」と呼ばれています。
ちなみに、O脚と対称的な変形にX脚があり、「外反膝」と呼ばれています。
O脚の原因は?
O脚は、変形性膝関節症による変形に伴い生じます。
変形性膝関節症を有していると、関節軟骨の磨耗によって、主に内側の関節の裂隙が狭小化します。
これが徐々に進行すると内側の間隙が完全に消失し、内反膝が完成するのです。
このような発症は、日本人においては加齢やホルモンバランスの変化などによる骨自体の脆弱化などといった一次性の場合が殆どです。
しかも日本人では、O脚の変化のように内側の関節裂隙が狭小化する場合が全体のおよそ9割を占めます。
O脚変形を呈した状態は、関節内に存在する靭帯の機能低下や、
膝の安定に寄与する大腿四頭筋などの筋力低下が生じている場合があり、
歩行を繰り返せば繰り返すほど、力学的なストレスが内側の関節面に作用し、さらなるO脚の悪化を招くことも少なくないのです。
それでは、O脚に対する治療方法はあるのでしょうか!?
「O脚」って治るの?
O脚の治療法を考える上で重要なのは、前述したようにO脚の原因となる要因を取り除くことです。
その方法とは、
・手術療法により、構造的なO脚を修正し、繰り返される力学的ストレスを軽減させる
・膝関節を安定させるための筋力を強化する
などの方法があります。
まずは、手術療法ですが、変形性膝関節症の治療の中でも主要な位置付けとなっています。
人工関節を置換する、もしくは骨切りなどによって構造的なO脚を修正します。
膝に対して、まっすぐに体重がかけられるようになれば、O脚変形を助長するような荷重を避けることができます。
同時にこのような手術療法は、関節の裂隙(隙間)を再び作ることで、骨同士の当たりがなく除痛効果が期待できます。
変形性膝関節症に対する手術療法やリハビリテーションに関してはこちらの記事をどうぞ
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→【変形性膝関節症】TKA術後のリハビリテーションって何をするの?
もう一つの方法としては、膝関節周囲の筋力を向上させ、少しでも力学的なストレスを軽減させることです。
この時に特に重要となる筋肉は、大腿四頭筋の中でも【内側広筋】と呼ばれる筋肉です。
内側広筋は、膝関節の最終伸展域で強力に作用するため、立位や歩行などの荷重時に膝関節を安定させる機能を有してます。
このように関節を安定させることで、繰り返される力学的ストレスを軽減させ、症状の進行を遅らせることができます。
具体的な筋力トレーニングの方法はこちらを参考にしてください!
→変形性膝関節症に対する筋力トレーニングとは?自宅で出来る方法は?
→大腿四頭筋(クアド)セッティングの効果や方法は?
症状の進行予防にはこちら!
→変形性膝関節症にサポーターは効果がある?選び方のコツは?
→変形性膝関節症にヒアルロン酸注射は効果がある?
まとめ
今回は、変形性膝関節症によって生じるO脚の原因や治療法などについて解説しました。
変形した下肢の構造を根本的に変化させるためには、手術療法が最も適していると言えるでしょう。
しかしながら、必ずしも全ての人が手術適応になるのではないので、筋力トレーニングなど、少しでも進行を遅らせることが出来るよう取り組む必要があります。
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