腰椎圧迫骨折で痺れ(しびれ)は出現する?それって治るの?
「腰椎圧迫骨折」は、
脊椎圧迫骨折の一つで、主に骨粗鬆症などを有する
高齢者に多発する疾患です。
疼痛を主症状としますが、
中には、「痺れ(しびれ)」などの神経症状を呈することもあるようです。
「腰椎圧迫骨折」は、
脊椎圧迫骨折の中でも腰椎に発生する骨折です。
文字通り、上下からの圧迫力で生じる骨折ですが、
骨粗鬆症などを有する高齢者の場合、
尻もちや重量物の持ち上げなどの誘引や、
中には、くしゃみや車の振動などで生じることもあるのです。
その代表的な症状は、
【疼痛】ですが、
骨折の程度や重症度によっては、
運動麻痺や痺れ(しびれ)などの神経症状を呈すこともあるのです。
そこで今回は、腰椎圧迫骨折によって出現する可能性のある【痺れ】について解説します。
Contents
腰椎圧迫骨折で生じる痺れとは?
腰椎圧迫骨折は、
椎体の圧壊によって椎体自体が短縮します。
多くの場合は、この状態で骨が癒合(固まる)することで、疼痛などが徐々に軽減します。
しかしながら、稀に、
圧壊した骨折部の癒合が行われずに、内部に形成された空洞に水分が貯留するなどで、
長期間に渡り疼痛が残存するケースが存在します。
この部分は、いわゆる「偽関節」となり、
動作の度に可動し、不安定となることから、疼痛が持続するのです。
また、このような不安定な骨折部位が、
椎体の後方を通過する脊髄を圧迫した場合、
運動麻痺や痺れなどの神経症状を呈することがあります。
このような病態を【遅発性脊髄神経麻痺】と言います。
腰椎圧迫骨折の治療はこちら
→腰椎圧迫骨折のリハビリテーション方法や禁忌事項とは?
→腰椎圧迫骨折の保存療法!コルセットの効果とは?
痺れは治る?
【遅発性脊髄神経麻痺】で生じた痺れは治るのでしょうか!?
このような脊髄に対する椎体の圧迫などの構造上の問題に対して、
投薬などの疼痛コントロールは、対症療法にすぎません。
一時的な疼痛の緩和は得られても、
根本的な解決にはならないのです。
このような場合には、
【手術療法】が適応となります。
偽関節となった椎体の空洞部分にセメントなどを注入することで、
骨の安定を得ます。
多くの患者が高齢者であることから、できるだけ小侵襲で行われます。
ただし、必ずしも【痺れ】が改善するわけではなく、
その改善の程度にも個人差があるのが事実です。
手術療法に関する詳しい記事はこちら
→腰椎圧迫骨折の手術療法とは?その種類は?
まとめ
今回は、腰椎圧迫骨折によって出現する可能性のある【痺れ】について解説しました。
このような病態は、受傷機転の中でもより大きな外傷によって生じた場合に生じやすいとされています。
遅発性に出現するため、関係ないと思い込まずに、
医師などに相談すると良いでしょう。
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