中足骨「疲労骨折」とは?リハビリではどんな治療を行う?

    
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中足骨は、足の内部に存在しており、

主に踵側と指側の橋渡しのように連結させる骨です。

 

衝撃吸収などの役割を持つ反面、

繰り返される力学的なストレスによっていわゆる「疲労骨折」を起こすことも少なくありません。

 

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中足骨の「疲労骨折」は、

主に陸上やサッカー、バスケット、バレーボールなどのスポーツ選手に好発する疾患です。

 

特に、ダッシュやジャンプなどの力強い動作の際に、

衝撃吸収を担う中足骨に力学的な負荷が生じやすいためです。

 

好発部位としては、第3中足骨の骨幹部に多く、ついで第2、第4の順に多く見られます。

また、第5中足骨に生じる疲労骨折は「Jones骨折」と呼ばれ、比較的難治性の経過を有します。

骨の成長期である小学校高学年から高校生くらいの年代に好発します。

 

明らかなオーバーユースなどによって生じる場合でも、

一度に痛くなるのではなく、徐々に痛みが蓄積されて、気づいたら荷重できないレベルにまで疼痛が強くなっていくのです。

 

もちろん治療法の最優先は保存療法であり、

必要な休息を取ることが重要ですが、多くがスポーツ選手であることから、同時に行われるリハビリテーションによって、

治癒の促進から、スポーツ復帰のサポート、そして予防にまで取り組んでいく必要があります。

 

今回は、中足骨の「疲労骨折」のリハビリテーションについて解説します。

中足骨「疲労骨折」のリハビリテーション

中足骨「疲労骨折」のリハビリテーションで最も大事なことは、

 

1.適切な休養や物理療法等によって治癒そのものを促進し、

2.同時にスポーツ復帰(または日常生活動作への復帰)に向けて患部外の機能を維持・改善し、

3.予防を含めた再発防止に努めること

が必要となります。

 

そこで具体的には以下のようなリハビリテーションを実施します。

 

 

超音波治療

骨折そのものの治癒の促進には、超音波を利用することが有効です。

これは、「超音波骨折治療法」とも呼ばれるものです。

 

微弱な超音波を当てることで、

骨折部に力学的な刺激が骨癒合を促進するのです。

 

もちろん受けている側は何も感じずに行え、一日20分程度で済みます。

骨折の治療期間を3〜4割程度早めるとも言われています。

 

 

患部外トレーニング

患部そのものは運動による治癒の促進は難しく、

局所の安静が望ましいです。

 

しかしながら、全身の安静を必要としているわけではなく、

スポーツ復帰などを視野に入れる場合、その他の部位の筋肉や体力を維持・向上するためにも、

患部外の筋力・体力向上訓練などが有効です。

 

特に有酸素運動ではエアロバイクなどは患部への負担が少なく行えます。

また、チューブや重錘などを負荷として利用した運動や筋力増強訓練が有効です。

 

 

動作パターンの修正

動作パターンの修正とは、

もともと習慣的に行っている癖や動作の傾向性によって、

患部へ繰り返し力学的ストレスが生じている場合があります。

 

例えば、ジャンプ後の着地動作において、

衝撃吸収を膝や股関節の協調的な運動によって緩和することなどが挙げられます。

 

競技特性に応じて、

ジャンプやダッシュ、ターンなどの動作を修正し、予防へつなげます。

 

 

まとめ

今回は、中足骨の「疲労骨折」のリハビリテーションについて解説しました。

 

リハビリテーション云々よりもまず、

早期発見・早期治療が重要です。

むしろ早期発見できれば特別な治療はなく休養するだけで十分ですから。

 

特に器質的な問題がなくても、

自己管理が不十分な年代にスポーツに熱中しすぎて生じる事例が多いため、

親や指導者などが休養を取らせたり、早めに受診するなりの判断も重要となるでしょう。


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