「大腿骨内顆骨壊死」の手術療法とは?リハビリは必要?
「大腿骨内顆骨壊死」とは、
大腿骨の遠位部にある両側の隆起(顆部)のうち、
内側の隆起(内顆)が“壊死する疾患”です。
幾つかの治療法がありますが、
症状が進行した場合には、
【手術療法】が適応となります。
「大腿骨内顆骨壊死」は、
60代以上の高齢女性に多発する疾患です。
多くは、誘因なく生じる突発性の大腿骨内顆骨壊死です。
この場合には、“骨粗鬆症”などの骨の脆弱性が基盤となっていることがあります。
→高齢者に頻発「骨粗鬆症」の原因は?ホルモンが関係?
→骨粗鬆症の検査方法とは?その診断基準とは?
突然の痛みで発症し、
歩行時などの荷重時はもちろんのこと、常に痛みを感じるようになります。
このような場合や、放置したがために生じる変形が出現した場合などは、
比較的重症例であると言えます。
重症化した場合の治療法は、
“手術療法”が適応となります。
手術療法にも幾つかの方法があります。
そこで今回は、「大腿骨内顆骨壊死」の手術療法や、そのリハビリテーションについて解説します。
「大腿骨内顆骨壊死」に関する基本的な知識はこちら
→「(突発性)大腿骨内顆骨壊死症」とは?原因や症状、治療法は?
「大腿骨内顆骨壊死」の手術療法とは?
「大腿骨内顆骨壊死」に対する手術療法には、
代表的な方法として、
・高位脛骨骨切り術
・人工関節置換術
があります。
高位脛骨骨切り術
高位脛骨骨切り術は、
骨が壊死した部分を骨切りし、
荷重による壊死部の負担を軽減する手術です。
“内顆”部分を骨切りするために、
ややX脚となりますが、自家軟骨組織や自家骨を移植する場合もあります。
人工関節置換術
人工関節置換術には、
2つの方法があります。
一つは、
“人工膝関節全置換術(TKA)”であり、
もう一つは、
“人工膝関節単顆置換術(UKA)”です。
これらの違いや詳しい手術方法はこちら
→変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
→UKAってどんな手術?TKAとは違うの?そのメリットは?
いずれの手術ともに
膝関節の一部または全部を人工物に置換する方法です。
術後の成績は良好であり、主に除痛や変形の矯正に効果的です。
「大腿骨内顆骨壊死」のリハビリテーションとは?
「大腿骨内顆骨壊死」の場合、
突発性の場合が多い為、長年の疼痛や、
それを回避する為に形成された変形や関節可動域制限は比較的少ないと言えます。
その為、「大腿骨内顆骨壊死」のリハビリテーションは、
“手術侵襲からの機能回復”を目的に実施します。
どのような手術手技でも、
術後のリハビリテーション方法に大きな差はなく、
・関節可動域制限
・筋力増強訓練
・立位(バランス)訓練
・歩行訓練
・日常生活動作訓練
などが個々の症状に合わせて実施されます。
→人工膝関節全置換術後の日常生活動作(ADL)に必要な膝関節可動域とは?
まとめ
そこで今回は、「大腿骨内顆骨壊死」の手術療法や、そのリハビリテーションについて解説しました。
治療の第一選択は、可能な限り装具療法や、生活指導などを行い、
“保存療法”で行うことが原則です。
しかしながら、最終的に症状が進行した場合、“手術療法”が必要となります。
手術自体は難しいものではなく、予後も良好とされています。
スポンサーリンク