脛骨の構造上の問題「内彎」や「内捻」という概念とは?

    
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膝関節は構造上、変形を来たしやすい関節であり、

O脚や変形性関節症を観る上で、その解剖学や運動学の知識は必須となります。

 

その中でも、関節内の問題ではなく、

脛骨そのものに異常をきたし、構造的な変形を来たしている場合も少なくありません。

 

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膝関節は、股関節と足関節のちょうど中間に位置しており、

それらの肢位や異常に影響を受けやすい関節です。

 

また、靭帯などの受動的な支持組織が中心となって安定を得ている関節で、

これらの破城が直接的に構造上の不安定さに直結するため、変形などを来たしやすい関節としても知られています。

 

代表的な変形は、

膝関節の“O脚”と言われる、いわゆる「内反膝」です。

これは変形性膝関節症を代表疾患として多くの日本人が生じやすい変形です。

 

この際には、大腿骨が外旋し、相対的に脛骨は内旋すると言われていますが、

屈曲拘縮の強い重症例では、反対に脛骨が外旋し、脛骨の内顆が前方に滑るといった報告もあります。

 

多くの症例はこのような膝関節に回旋変位をきたし、内反膝を生じていることに間違いはないのですが、

実はこのパターンのみでは説明がつかない変形もあります。

 

それは、脛骨自体の構造上の変形を来たしているからです。

あまり聞きなれない用語かもしれませんが、脛骨には、

「内彎」

「内捻」

という二つの概念が存在するのです。

 

今回は、脛骨の構造上の問題である「内彎」「内捻」について解説します。


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「内彎」とは?

脛骨の「内彎」とは、

“脛骨の近位端に対して、遠位端が内反している状態”

です。

つまり、脛骨の自体が前額面上で、膝から足にかけて内側へ彎曲している状態です。

 

一見すると、単純な膝関節の内反と区別がつきにくいですが、

脛骨の近位端である脛骨粗面の向きを触診すると、

脛骨の長軸との向きがずれていることが分かります。

 

 

 

「内捻」とは?

脛骨の「内捻」とは、

“脛骨の骨幹部の回旋”

です。

 

水平面上で脛骨の近位端よりも、脛骨の遠位端が内側へ回旋している状態です。

 

このような捻転は個人差が大きく、

左右の比較を行うことによって臨床的意義が大きいと言えますが、

計測自体は容易ではなく、

両果部を基準とした評価が推奨されています。

 

【脛骨捻転の計測方法】

・膝関節を伸展位にし、膝蓋骨を前額面上に置いた状態とする
・足底面から足関節の内果・外果それぞれの二等分線を観察する
・前額面(検査台と平行)と内外果からなる線画がなす角度を計測する
・13〜18°外旋位を正常値とし、13°未満を内捻、18°以上を外捻とする

「斉藤秀之・加藤浩:極める 変形性膝関節症の理学療法 保存的および術後理学療法の評価とアプローチ」より引用

 

 

 

まとめ

今回は、脛骨の構造上の問題である「内彎」や「内捻」について解説しました。

解剖学的な用語なのかも定かではありませんが、

変形性膝関節症などを観る上では欠かすことの出来ない概念です。

 

このような「内彎」や「内捻」自体を治療することは難しいですが、

繰り返される力学的な負荷がこのような変形を招いたということを念頭に置くことで、

これまでの歩行や荷重パターンの解釈、さらには目指すべき方向性に大きなヒントを得ることが可能となります。

 

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