前十字靭帯損傷に対する手術療法!STG法やBTB法とは?

    
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「前十字靭帯損傷」は、

スポーツなどの激しい動作中に生じる膝関節の外傷性の疾患です。

 

膝の安定性に寄与する強靭な靭帯である前十字靭帯の損傷は、スポーツ復帰などを考えても長期の離脱を余儀なくされます。

治療方法としては、【手術療法】が推奨されます。

 

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前十字靭帯は(ぜんじゅうじじんたい、Anterior Cruciate Ligament; ACL)、

大腿骨の後面から脛骨前面に向かって斜走する靭帯です。

 

全長は約3cm、幅は約1cmの靭帯です。

主な役割は、

・脛骨の前方移動の制動
・膝関節の内旋制動

などがあり、膝関節の安定性に寄与しています。

 

前十字靭帯損傷の多くは、スポーツにより受傷し、

急激な方向転換やジャンプからの着地などの非接触性要因、
タックルなどによる接触性要因に大別されますが、

非接触性の要因がその大部分を占めています。

前十字靭帯損傷についての詳しい記事はこちら
前十字靭帯損傷とは?受傷機転や症状、その治療方法は?

 

前十字靭帯損傷の治療方法には、保存療法と、手術療法があります。

活動性が低い患者の場合、保存療法が適応となることもありますが、その成績は不良であるとも言われています。

 

反対にスポーツ選手のように活動性が高い患者には、【手術療法】による靭帯再建が必要となります。

前十字靭帯再建術には、

・BTB法
・STG法

が存在します。

そこで今回は、前十字靭帯損傷に対する手術療法であるSTG法やBTB法について解説します。


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前十字靭帯損傷に対する手術療法

前十字靭帯は、自然再生することが困難と言われています。

膝の内側側副靱帯や足首に存在する靱帯に関しては、

固定することで自然に機能が戻ることもありますが、前十字靭帯は関節包内に存在するためこの方法が用いられないそうです。

 

そのため、他の部位の腱を移行させることで靭帯の代わりをする再建術が行われます。

その方法として現在行われているのが、

・BTB法
・STG法

です。

 

実は、再建法は、術直後から術前と同様の字靭帯の強度を持つわけではなく、長い時間をかけて徐々に強度が増していきます。

術直後は、一度壊死し脆弱化するのです。

 

これは両術式とも同様であり、運動療法などを行う上でも注意が必要です。

前十字靭帯損傷における手術後の再建靭帯の修復過程は?

以下にそれぞれの術式の特徴を解説します。

 

 

BTB法ってどんな手術?

BTB法とは、骨付き膝蓋腱を用いた再建法です。

BTB法の特徴は、自家腱移植の中では最大の強度を示すことです。
長年再建術のゴールデンスタンダードとされてきました。

ただ、膝関節の安定性が高いものの、

手術侵襲が大きく疼痛が強いことがデメリットとして挙げられます。

 

再建後の強度低下は、

術直後において正常の前十字靭帯の20%〜30%程度です。

また、9〜12週間かけて徐々に強度が増していきます。

 

運動療法における注意点は、

・膝関節伸展の筋力低下
・膝蓋大腿関節の疼痛
・膝関節可動域制限

です。

 

 

STG法ってどんな手術?

STG法とは、半腱様筋腱薄筋腱を用いた再建法です。

STG法の特徴は、単位断面積あたりの強度が強く、鏡視下で操作が行えるため近年では盛んに行われています。

侵襲が少なく、合併症なども少ないことが挙げられます。

 

再建後の強度低下は、

術直後において正常の前十字靭帯の20%〜30%程度です。

また、9〜12週間かけて徐々に強度が増していきます。

 

運動療法における注意点は、

・膝関節深屈曲位での筋力低下(フラミンゴサイン)
・膝関節屈曲位の疼痛

です。

 

前十字靭帯損傷に対する装具療法はこちら
前十字靭帯損傷における装具療法とは?DONJOYの役割や費用は?

 

 

 

術後のスポーツ復帰までの期間は?

前述のように、再建術によって、一度は壊死し脆弱化した靭帯は強度を増すまでに時間がかかります。

それぞれのスポーツの競技特性にもよりますが、

一般的には、実践的で激しいトレーニングを開始できるのは、9週以降と言われています。

 

よって、スポーツ復帰までにかかる期間はリハビリテーションが重要となり、その程度の期間は見越しておく必要があります。

前十字靭帯損傷のリハビリテーションの記事
前十字靭帯損傷の手術後のリハビリテーション方法は?

 

 

 

まとめ

今回は、前十字靭帯損傷に対する手術療法であるSTG法やBTB法について解説しました。

再建術を行っても、早期はむしろ脆弱で非常に慎重に経過を見ていかねばならないようです。

また、両術式ともに、移植に用いられ侵襲が加わった部位の回復が遅れることがあり、運動療法においても留意が必要なようです。

怪我をして焦っても再発のリスクもあるので、長い目でリハビリテーションを継続していくことが重要となります。


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