伏在神経由来の疼痛「ハンター管症候群」とは?原因や症状、治療法とは?

    
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膝関節周囲に生じる疼痛には、

外傷による炎症や、変形性膝関節症に代表される器質的な要因など、

様々な原因によって生じるため、その鑑別が難しいこともあります。

 

特に「ハンター管症候群」は、

あまり知られていない神経の絞扼障害です。

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“ハンター管”とは、

大腿部の中央あたりに存在する筋肉で区画されている領域です。

 

このハンター菅の中には、

“伏在神経”と呼ばれる大腿神経の終枝が走行しており、

何らかの原因でこの神経が絞扼されると、

その神経支配領域に応じた痺れや疼痛が生じます。

 

これを「ハンター管症候群」と呼びます。

 

変形性膝関節症の患者に多く見られますが、

疾患との関連よりも、

筋肉やサポーターなどによる圧迫が大きな要因となるようです。

 

今回は、膝関節周囲に生じる疼痛の原因として、

意外と知られていない「ハンター管症候群」について原因や症状、治療法などを解説します。


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「ハンター管」ってどこ?

“ハンター管”とは、

大腿部の中央あたりに存在する筋肉で区画されている領域です。

 

具体的には、

大腿部の中1/3程度に位置し、

・前内側を内側広筋
・後方を長内転筋と大内転筋
・内側を縫工筋

によって区画されている領域です。

 

 

この領域には、大腿神経の終始である“伏在神経”が走行しています。

(他にも大腿動静脈も走行している)

 

 

 

「ハンター管症候群」の原因は?

「ハンター管症候群」は、

ハンター管における伏在神経の圧迫によって生じます。

 

ハンター管になる原因として最も多いのは、

ハンター管を取り囲む筋肉の過剰な収縮による神経の絞扼です。

 

膝関節の不安定性などが生じ、強い筋活動で制御する場合などに生じることがあります。

とりわけ内側広筋での絞扼が多いです。

 

その他の理由としては、

・膝のサポーターやテーピングを強く締めすぎている
・むくみ防止のタイツの締め付けがきつい
・キャッチャーの防具の締め付けが強い

などなど..

 

多くは膝周囲の締め付けによるものです。

日常生活の中にもハンター管症候群を招く原因が潜んでいます。

 

 

 

「ハンター管症候群」の症状は?

「ハンター管症候群」の症状は、

絞扼された伏在神経の支配領域に生じる

“疼痛”“痺れ”です。

 

伏在神経が支配する領域とは、

膝の前内側から下腿の内側の比較的広範囲の領域です。

 

この神経は感覚神経なので、

筋力の低下や萎縮などは認めません。

 

また痛みが生じている部位の圧痛などはなく、

神経が絞扼されているハンター管の部位で圧痛を認めます。

 

また貫通部におけるTinel徴候を認めます。

 

※Tinel徴候:神経の絞扼部を叩くと放散痛を生じる現象

 

 

 

「ハンター管症候群」の治療法は?

「ハンター管症候群」の治療法は、

絞扼の原因を取り除くことです。

 

外部から物理的に圧迫しているものは、

取り除くことが簡単ですが、

筋による絞扼の場合には一筋縄ではいきません。

 

マッサージや電気刺激による筋肉の緊張の緩和が必要です。

 

また、そもそもの筋の緊張が、

膝の不安定性による代償活動であった場合、マッサージや電気刺激では一時的に原因は解決できても、

再発する可能性は高いです。

 

大腿四頭筋など膝の安定を司る筋肉の強化や、

その使い方の指導などが専門家の指導のもと、必要となります

 

 

 

まとめ

今回は、「ハンター管症候群」について原因や症状、治療法などを解説しました。

一見シンプルな病態に見えますが、

脊椎疾患との鑑別が必要であり、疑われるような症状が生じた場合には、

整形外科などの専門医の受診をお勧めします。

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