人工膝関節全置換術(TKA)でも床からの立ち座りはできる?安全な方法とは?

    
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人工膝関節全置換術(TKA)を施行した後に、

床からの立ち座りは出来るの?

 

安全に行うためにはどうすれば良いのでしょうか!?

 

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人工膝関節全置換術(TKA)は、

変形性膝関節症に対する標準的な手術療法であり、

荷重痛の改善や、変形や関節可動域制限の改善に期待ができます。

 

一方で、

出来なくなる動作も少なからず生じてしまいます。

その代表的なものに“正座”があります。

人工関節置換術後には、正座を行えるほどの関節可動域の獲得は大抵の場合困難となるためです。

 

このように明らかに厳しいだろうと思われる動作がある一方で、

「出来るか出来ないか分からない..」

なんていう動作も存在します。

 

それは、

“床からの立ち上がり”または、“床への座り込み”です。

 

人工膝関節全置換術後に、

「絶対にやらないから出来なくても良い」という人は良いですが、

「出来ないと思っていたけど出来るならやりたい」という人も少なからず存在します。

 

出来るか出来ないかを端的にいうと、

当然出来ます!!

ただし、いくつか注意点があったり、片側の手術だけでなく両側の場合であったりと、

その難易度も異なります。

 

そこで今回は、人工膝関節全置換術(TKA)の床からの立ち座り動作について、

安全な方法なども踏まえて解説します。

人工膝関節全置換術(TKA)の床からの立ち座り動作は出来る?

冒頭でも述べたように、

人工膝関節全置換術(TKA)の床からの立ち座り動作は出来ます!

 

最もオーソドックスな方法としては、

やはり、膝を床に着く方法です。

 

「えっ、手術した膝を床についていいの?」

基本的には大丈夫です!

 

ただし、注意しなければならない事項があります。

 

 

立ち座り動作に伴うリスクとは?

人工膝関節全置換術(TKA)の床からの立ち座り動作に伴うリスクとして注意しなければならない点は3つです。

それは、

・過可動域

・強打

・感染

です。

 

上記二つの過可動域と強打は、

主に転倒などの事由によって生じます。

 

不慣れな動作であるため、あやまってバランスを崩すと思いもよらない角度まで膝が曲がることで、

人工関節周囲の骨の骨折をきたしてしまうことがあります。

 

また、膝を強打することによっても、過剰な外力がかかり人工関節そのものが破損するということもないことはありません。

(特にPS型のPostの破損等..)

 

もう一つは、感染です。

術後間も無く、皮膚の形成も未熟な状態で床面との接触を繰り返してしまうことや、

擦り傷などによってばい菌が入ってしまうと感染のリスクを高めてしまうことにつながります。

 

 

ではどうやって立ち座りを行えば良い?

基本的に膝を着く方法で行っても、

上記のリスクを踏まえて十分に管理ができれば全く問題はないでしょう。

少なくとも入院期間中に十分に指導をされているなどであれば問題ないです。

 

ただ、そうでない場合、

なんとなくやってみようであるならば、

基本的に膝をつかない方法がよりベターかと思います。

 

つまり、人工関節を入れてない側の足の膝を床につきながら立ち座りをすることが安全です。

 

では、両側の人工膝関節全置換術の場合はどうでしょう?

この場合は、大抵の場合もう座ることは難しいからと諦めてしまう人が多いです。

 

 

両側の人工膝関節全置換術の場合の床からの立ち座りの安全な方法とは?

両側の人工膝関節全置換術の場合はどうでしょう?

先に述べたように、出来るだけ(あくまで出来るだけ)膝を着かないように(行える人は)行った方が良いと思います。

 

では、両側の場合の方法を写真とともに解説します。

(あくまで台など支持物がなく、難易度が高い状態を設定して行っています。もちろん、支えになるものがあれば使用することがベストです。)

 

床から立つ場合

①まずこのように膝を伸ばして座っている姿勢から開始します。

 

②どちらでも良いので立ち上がる側へ反対の手と体を回します。

 

③立ち上がる側と反対の手をついたら、両手に体重をかけて腰を浮かせます。

この時に接地しているつま先は滑らないようにしっかり支えに使います。

この時も膝は床に接していないですね。

 

④そのまま出来るだけお尻を高い位置まで持ち上げながら、徐々に下肢の方へ体重を預けます。

 

⑤体重が完全に足に乗ったら、両手で少し床を押すようにして手を離してゆっくり体を起こします。

 

立ち上がった後も油断して倒れないように、ゆっくりと歩を進めましょう。

 

床から立つ動作の一つのパターンを紹介しました。

では、反対に座る場合はどうでしょうか。

 

 

床に座る場合

基本的には立つ場合の巻き戻しと思ってください。

①まずは、両手で床に手を着きます。

 

②両手をついたら、出来るだけ手の方に体重をかけていきます。

 

③どちらかの膝をスッと曲げて膝を床につきに行くのではなく、体を回しながらお尻を床につきにいきます。

膝を曲げた方のお尻を床につけるように手で支えるのがポイント)

 

④ゆっくりとお尻が床につけたら成功です。

 

こうやって座れたら、こたつにも入れるし、座敷のある料理屋にも行けますね。

 

 

まとめ

今回は、人工膝関節全置換術(TKA)の床からの立ち座り動作について、安全な方法なども踏まえて解説しました。

あくまで一つのパターンに過ぎないということと、

よく分からない場合は無理に自分で行おうとするのではなく、

理学療法士などの専門家に指導を仰ぐことが賢明です。

ただ、練習すれば出来るのに、最初から出来ないと決めてしまうのは少しもったいないような気もします。

リスクを起こさない程度に、動作や活動の幅は広げていきたいですね。

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