中心性脊髄(頸髄)損傷とは?その症状やリハビリテーション方法は?

    
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中心性脊髄損傷は、

頚椎の過伸展もしくは過屈曲で生じる脊髄損傷です。

 

頸部に生じることから、

「中心性頸髄損傷」とも言われています。

※以下に表記する中心性脊髄損傷は「中心性頸髄損傷」と同義として扱います。

 
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中心性脊髄損傷は、

“脊髄中心部の損傷”です。

広義には、「脊髄損傷」の一種であり、

不全損傷の中の特殊型という位置付けになります。

詳しくはこちらを参照ください!
脊髄損傷とは?原因や好発年齢は?
脊髄損傷における不全損傷の特殊型とは?

 

 

中心性脊髄損傷は、

頸部の過伸展や過屈曲が外力となって生じる場合が多いですが、

後縦靭帯骨化症脊柱管狭窄症の疾患を、

発症の基盤として有している場合が殆どです。

よって、骨折や脱臼をともなわない非外傷性の脊髄損傷としても発症するのです。

腰部脊柱管狭窄症とは?原因や症状、その治療方法は?

 

 

中心性脊髄損傷の症状の特徴は、

“下肢に比して上肢に麻痺が重度である”

ということです。

ただ、神経症状の程度は様々であり、

多くの症例において保存療法が適応となります。

それでも症状の改善が得られない場合に、

【手術療法】が適応となります。

 

 

いずれの場合においても、

麻痺した筋力の回復や、代償手段獲得のための

【リハビリテーション】が重要となります。

そこで今回は、中心性脊髄損傷の症状やリハビリテーション方法について解説します。

脊髄損傷のリハビリテーションの記事はこちら
脊髄損傷のリハビリテーション「関節可動域訓練」の目的や方法は?

脊髄損傷におけるリハビリテーションに必要な評価項目とは?ASIAって?


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中心性脊髄損傷とは?

脊髄損傷に関する本邦の疫学調査では、

おおよそ年間に5,000人程度が新規での受傷をしています。

その中でも、

約4割が非骨傷性であり、

約6割が骨傷性であります。

 

しかしながら、その中で

中心脊髄損傷の割合がどれくらい含まれているのかは正確には明らかになっていないのです。

 

 

中心性脊髄損傷の症状と臨床的特徴

1954年、Schneiderは文献例6例と、自験例9例の臨床経過などから、

中心性脊髄損傷の代表的な症状は、

“下肢に比し、上肢に優位の機能障害”

であるとしました。

 

そして、その臨床的特徴は、

(1)下肢より上肢に強い運動麻痺
(2)多くは過伸展強制損傷
(3)多くは非骨傷性損傷
(4)急激な四肢麻痺
(5)多彩な感覚障害
(6)膀胱直腸障害
(7)麻痺の回復は下肢、膀胱機能、上肢の順であり、
手指巧緻運動障害が最後に残り歩行機能は回復するものの、
手指機能の回復は良好ではない
(8)感覚障害の回復順序は不明
(9)比較的予後良好

などを挙げています。

 

なぜ、下肢よりも上肢の麻痺が優位かというと、

脊髄の断面から、神経路を参照すると分かりやすいです。

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図のように、運動を司る

「(外側)皮質脊髄路」は、

内側から順に、

頸→手→腰→足

を支配する神経路が通過しています。

これをForesterの“ラミネーション仮説”と言います。

 

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中心性脊髄損傷は、

脊髄の中心部から損傷を受けるので、

より中心に近い頸部や上肢の障害が強いというわけです。

 

 

 

中心性脊髄損傷の治療やリハビリ方法は?

中心性脊髄損傷の治療は、

・保存療法
・手術療法

に大別されます。

 

 

保存療法では通常、安静臥床や頚椎カラーでの固定などが行われますが、

安静の期間や固定の期間は症状によって様々です。

 

 

手術療法では、かつて禁忌とされていた

「除圧術」などが施行されます。

保存療法と比較して、予後の違いについては明確な方向区はないものの、

手術の目的として、

(1)神経経圧迫因子の除去
(2)脊髄二次損傷の予防
(3)脊柱安定性の獲得

などが挙げられています。

 

 

いずれの方法においても、

近年重要視されていることは、

臥床に伴う“廃用症候群”であり、

リハビリテーションを早期から開始することで、

「早期離床」を目指します。

 

 

リハビリテーションの目的や方法は?

先に述べたように、

リハビリテーションの目的は、

“早期の離床による二次的障害の予防”です。

 

加えて、保存療法もしくは手術療法によって

症状が安定したら、積極的な筋力増強などの機能訓練によって再び日常動作の獲得を目指します。

勘違いしてはならないのは、

リハビリテーションによって麻痺した運動や感覚が回復するわけではないということです。

 

具体的なリハビリテーションでは、

運動療法として、

・関節可動域訓練
・筋力増強訓練
・基本動作訓練(起居動作、起立・着座 etc..)
・上肢巧緻性訓練
・バランス訓練
・歩行訓練
・日常生活動作訓練

などがあります。

症状や機能・能力低下に合わせて、これらの訓練を組み合わせて行います。

 

脊髄損傷に関する記事はこちらもどうぞ
頸髄損傷に好発する自律神経障害とは?
脊髄損傷におけるリハビリテーションに必要な評価項目とは?ASIAって?

 

 

まとめ

今回は、中心性脊髄損傷の症状やリハビリテーション方法について解説しました。

高齢者では、転倒や転落などの軽微な外傷でも容易に受傷することがあります。

予後は良いと言っても症状の程度は様々で、軽微だからといって放置すると重症化する場合も少なくありません。

ちょっとでもおかしいなと感じたら早期の受診、早期の治療をお勧めします。

気になる脊髄損傷の再生医療はこちら
脊髄損傷の再生医療とは?


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