「足根管症候群」の原因や治療法は?リハビリテーションのポイントは?

    
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「足根管症候群」とは、

絞扼性神経障害と言われる末梢神経の疾患です。

 

痺れや痛みを主体としますが、

適切な治療、そして適切なリハビリテーションによる機能回復が必要となります。

 

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「足根管症候群」とは、

“足根管”と呼ばれる、足の内側のくるぶし(内果)の下の位置にある空洞の中で、

神経が絞扼(締め付けられる)ことによって生じる神経障害です。

 

主要な症状として挙げられるのは、

・痛み
・痺れ

です。

 

足根管のなかを走行する脛骨神経の圧迫によって生じますが、

その原因は様々です。

 

また、治療においても保存療法・手術療法と選択される場合がありますが、

いずれの場合においても機能回復におけるリハビリテーションが重要となります。

 

そこで今回は、「足根管症候群」に関する基本的な病態を解説しながら、

リハビリテーションにおけるポイントを紹介します。

「足根管症候群」とは?

「足根管症候群」とは、

“足根管”を通過する脛骨神経が何らかの要因で絞扼されることで出現する末梢神経障害です。

 

上肢の場合には「手根管症候群」がよく聞かれる疾患ですね。

高齢に多いとされますが、詳しい疫学は不明です。

 

 

「足根管症候群」の原因は?

「足根管症候群」の原因となるのは、

多くは突発性であります。

 

しかしながら外傷の後に続発して生じることも少なくありません。

骨折による足首の変形や、何らかの術後組織の癒着筋の滑走障害がそれに当たります。

また、ガングリオン静脈瘤動脈瘤なども原因となります。

 

さらに、先天的に骨の突出が強い場合や、

周辺筋肉の過剰な緊張による圧迫など、

その原因も多岐に渡るため、様々な鑑別テストによって原因を特定することでその後の治療が決定されます。

 

 

「足根管症候群」の症状は?

「足根管症候群」の症状は、

・痺れ
・痛み

です。

 

「足根管症候群」で絞扼される神経は、

“脛骨神経”であり、この脛骨神経の支配領域である皮膚の痺れや痛みを生じます。

 

よく「足の裏がふわふわする」「靴下を履いているみたい」

などと表現する人も多いです。

 

 

「足根管症候群」の治療法は?

「足根管症候群」の治療法は、大きく分けて、

・保存療法
・手術療法

に大別されます。

 

原則としてまず選択されるのは保存療法であり、

非ステロイド系抗炎症剤ビタミンB製剤の内服や、

物理的に圧迫の要因を取り除く必要があります。

 

日常生活動作の指導や、インソールの作成、筋肉をほぐすためのストレッチなど、

これらは全てリハビリテーションの分野になります。

 

一方、手術療法では、足根管開放術と呼ばれる手法で、

直接的に圧迫している原因を除去する方法です。

術後は、機能回復を促進するためのリハビリテーションを行います。

 

 

「足根管症候群」のリハビリテーションとは?

“足根管”の解剖学

絞扼性神経障害のリハビリテーションにおいて、

その神経の走行や筋の位置などの解剖学的な知識は必須となります。

 

そもそも足根管は、

内果の下部に位置しており、

内果と踵骨と距骨による骨性の壁と、屈筋支帯によって囲まれた管です。

 

足根管を通過する組織には、

・脛骨神経
・後脛骨動・静脈

が通過しています。

 

また、筋肉では、

・長母趾屈筋腱
・長趾屈筋腱
・後脛骨筋腱

などが通過しています。

書籍:関節機能解剖学に基づく整形外科運動療法ナビゲーションより引用

 

つまり、これらの組織によって脛骨神経が絞扼されることで足根管症候群が生じるのです。

 

 

保存療法におけるリハビリテーション

保存療法におけるリハビリテーションのポイントは、

脛骨神経を圧迫している原因を除去することにあります。

 

関節可動域訓練

関節可動域訓練と一言でいいますが、これには、

・筋のストレッチ
・滑走性の改善

などが含まれます。

 

足根管の中にある屈筋支帯で絞扼されている場合には、

屈筋支帯の緊張を高めている下腿の屈筋群のストレッチによる緊張緩和が必要です。

 

また、足根管の中を通過する筋の滑走性が低下することで、

神経に機械的な刺激が生じ、神経障害をきたすこともあり、

タオルギャザーを行ったり、徒手的な圧迫を加える中での筋の反復収縮などのアプローチがあります。

 

 

アーチサポートによるアライメント調整

筋の問題だけでなく、

骨の形状、いわゆるアライメントの不良によって生じる絞扼の場合もあります。

 

例えば、距骨下関節の過度の回内(足関節の外反)が生じると、

屈筋支帯の伸長が生じ足根管が狭くなることがあり、これによって神経の絞扼が生じるのです。

 

そこで、アーチサポートなどを用いて、

距骨下関節の過度の回内から回外方向へアライメントを調整することで屈筋支帯が緩み、

神経絞扼が除去されることもあります。

 

ただ、そのためには、距骨下関節そのものの可動性を改善させておかなければ、

アーチサポートの効果も十分に得られません。

 

 

手術療法におけるリハビリテーション

手術療法におけるリハビリテーションのポイントは、

手術侵襲からのスムーズな回復です。

 

神経の絞扼そのものは、

手術療法によって除去されているため、

術後のリハビリテーションでは円滑に関節可動域や筋力の改善が出来るように支援します。

 

例えば、術後の侵襲による疼痛は防御性の固定や不動を招きます。

創部や癒着や瘢痕形成、さらには筋肉の滑走性の低下は、二次的な問題に繋がることも少なくありません。

 

適切な筋や皮膚の伸長滑走性の改善

さらには早期歩行獲得に向けて必要な筋力の改善などが重要です。

 

 

まとめ

今回は、「足根管症候群」に関する基本的な病態を解説しながら、リハビリテーションにおけるポイントを紹介しました。

痺れ程度であるからと放置せず、

中には重大な疾患が隠れている場合もあるので、

必ず整形外科などの専門医を受診するようにしましょう。

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