「膝蓋下脂肪体」とは?膝痛みや膝関節可動域制限の原因?リハビリ方法は?

    
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膝関節の機能不全には多岐にわたる原因があります。

その中でも、疼痛関節可動域の制限などにもなりうる重要な組織として、

「膝蓋下脂肪体」があります。

 

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「膝蓋下脂肪体」とは、

膝蓋骨を介して付着している膝蓋靱帯のすぐ真裏である、

膝蓋靱帯の裏側に存在しています。

 

「膝蓋下脂肪体」は、

文字通り脂肪組織であり、周囲を膜で囲まれながらも、

非常に柔らかい組織です。

 

この組織の中には多くの神経組織や、

小さな血管が走行しており、

最近ではこの神経などによって、痛みを感じるセンサーが非常に過敏であることが分かっています。

 

言うなれば、

何らかの原因で癒着や炎症が生じることで、

容易に疼痛へと発展してしまうのです。

これを「Anterior Knee Pain」とも言います。

 

今回は、この「膝蓋下脂肪体」が引き起こす疼痛や、関節可動域制限、さらにはリハビリテーションについても解説します。


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「膝蓋下脂肪体」ってどこ?

では、一体「膝蓋下脂肪体」とはどこにあるのでしょうか!?

 

「膝蓋下脂肪体」は、

膝蓋靱帯のすぐ真裏に位置しています。

横から見るとこのように、

膝蓋靭帯と膝蓋骨、大腿骨顆部と脛骨に囲まれています。

 

 

 

「膝蓋下脂肪体」の役割や組織の特徴は?

「膝蓋下脂肪体」は、

文字通り脂肪組織であり、非常に柔らかい構造をしています。

 

その役割は、膝関節の円滑な屈伸を行うための

潤滑剤であり、クッション作用を有しています。

 

また、神経組織が密であることや、

小さな血管なども周囲に豊富にあることが知られています。

 

最近の研究では、

疼痛のセンサーが非常に多く、膝関節の周囲に関しては最も痛みに敏感という報告もあります。

 

 

 

「膝蓋下脂肪体」が関与する疼痛とは?

「膝蓋下脂肪体」は、

膝関節の前面にあることから、ここで生じる疼痛を、

「Anterior Knee Pain」と言います。

 

とりわけ代表的な疾患としては、

「膝蓋下脂肪体炎(Hoffa病)」があり、

圧迫を加えることで疼痛が再現されます。

 

他にも、変形性膝関節症などによって

関節内の炎症が波及し線維化することによって、

しゃがみこみ時などの運動時に疼痛が生じることも少なくありません。

 

【変形性膝関節症】に関する記事はこちら
変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?
変形性膝関節症とは?その診断や分類方法は?
変形性膝関節症にサポーターは効果がある?選び方のコツは?

 

 

 

「膝蓋下脂肪体」が関節可動域制限に関与する?

前述のように、「膝蓋下脂肪体」は、

膝関節の円滑な屈伸に作用します。

言い換えれば、「膝蓋下脂肪体」の繊維化や癒着は膝関節の運動を制限することに繋がります。

 

変形性膝関節症はその代表的な例であり、

関節自体の変性から「膝蓋下脂肪体」が繊維化し、

膝関節屈曲時の後方への滑りが減少したり、

膝関節伸展時に挟み込まれるなどすることで疼痛ないしは、

関節可動域に制限をきたします。

 

また、変形性膝関節症に対する標準的な手術療法である、

「人工膝関節全置換術」では、

膝蓋下脂肪体を部分的に切除することがあります。

(術野を確保するため)

 

そもそも多くの術式において、

膝蓋靭帯のすぐ横を切開し、

膝蓋骨を反転させる手技の中で、

膝蓋下脂肪体付近に容易に侵襲が加わり、その回復過程において瘢痕形成や癒着が生じることは容易に想像できるでしょう。

 

【変形性膝関節症の手術】に関する記事はこちら
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「膝蓋下脂肪体」の癒着の確認方法とリハビリテーション方法とは?

「膝蓋下脂肪体」の癒着は、

体表からでも十分に確認が可能です。

 

膝蓋靭帯の深部を左右にそれぞれ圧を加えることで、

その移動が制限されています。

 

また、膝蓋骨の上下方向の可動性や、

その際の疼痛の有無の確認などでも判断は可能です。

 

癒着が生じている場合は、

この膝蓋靭帯や膝蓋骨の可動性が回復するように、

動かしていくことが治療に直結し、リハビリテーションの中でも多く行われている手技です。

 

 

 

まとめ

今回は、「膝蓋下脂肪体」が引き起こす疼痛や、関節可動域制限との関係などについて解説しました。

意外と知られていなくて見落とされがちですが、

TKAの術後などには十中八九可動性が低下する部位です。

自己でのマッサージなども比較的行いやすいので、是非取り入れたいですね。

 

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