変形性膝関節症(膝OA)とは?治る疾患なの?リハビリテーションの内容は?

    
Pocket

スライド12

 

変形性膝関節症という疾患をご存知でしょうか!?

 

日本でも多くの方が苦しんでいる関節痛の代表的な疾患と言えるでしょう。

変形性膝関節症は治る疾患なのでしょうか?

 

スポンサーリンク

 

変形性膝関節症とは、

関節軟骨の変性、磨耗による荒廃と、それに伴う軟骨および骨の新生、増殖による慢性、進行性の変形の関節疾患

です。

もっとざっくり言うと、

「膝関節の隙間が徐々にすり減り、骨同士の当たりなどから、関節の変形や疼痛をきたす疾患」

なのです。

 

 

歩行を始めとする日常生活動作に多大な障害を障害を呈すと共に、生活の質(QOL)までも低下を余儀なくされる、慢性で進行性の疾患なのです。

日本でも多くの患者がおり、

・治療を行う者

・何もしない者

・どうしたら良いか分からない者

など様々かと思います。

 

 

そもそも、この疾患は治るのでしょうか!?

また、リハビリテーションはどんなことを行い治療にあたるのでしょうか!?

今回は、変形性膝関節症の病態を中心にしながらも、そのリハビリテーションなどについても解説します。

変形性膝関節症に関する詳しい記事はこちらもどうぞ
変形性膝関節症にヒアルロン酸注射は効果がある?
変形性膝関節症とは?その診断や分類方法は?

 変形性膝関節症とは?

変形性膝関節症(osteoarthritis of the knee:膝OA)は、

“膝関節軟骨の磨耗や変形を主体とし、歩行などの荷重時の疼痛を主症状とする慢性の進行性の疾患”です。

 

 

疫学は?

全国の患者数は、症状を訴える者で1,200万人を超え、潜在的に有している要治療も約3,000万人になると言われています。

中高年での罹患率が高く、我が国の高齢社会において、増加の一途を辿っているのです。

 

 

原因は何?

 変形性膝関節症の原因は、原因の無い一次性と、何らかの炎症の後に生じる二次性とに分けられます。

およそ90%以上が原因の無い一次性と言われておりますが、日本のような正座での和式生活なども少なくとも影響しているのでは無いかと言われています。

性差は男:女=1:4と圧倒的に女性に多く、50歳から60歳以上で急増します。

ちなみに二次生のものとしては、骨折や脱臼、靭帯損傷や半月板損傷の後に生じることがあります。

変形性膝関節症とは?その診断や分類方法は?

 

 

症状は何?

変形性膝関節症状は、以下のものが挙げられます。

・疼痛:立ち上がり時や歩き始めに疼痛が生じ始め、次第に荷重時は常に痛みを感じるようになる

・変形:内反膝と呼ばれ、いわゆるO脚変形を呈します。この際には、内側の骨同士が磨耗しているので、徐々にO脚変形が生じます。

・腫脹や熱感:初期より水腫が生じ、炎症によって熱感などが出現します。

・関節可動域制限:膝の伸ばす、曲げる角度の狭小化が生じ、階段昇降などに支障をきたすことがあります。

 

 

 

変形性膝関節症は治る疾患なの?手術が必要?

繰り返すようですが、変形性膝関節症は「慢性で進行性の疾患」です。

何もせず放置していたところで治ることはありません。

変形性膝関節症は、進行するにつれて、徐々にO脚が強まり、

骨の磨耗が進み、痛みが生じることなど、構造的な変化が生じるのです。

 

このような変化はたとえ安静にしていたところで元どおりになるわけではないのです。

(初期で変形もなく、一時的に生じていた疼痛が休息で治ることはあるでしょう。また、あまりに重度となると反対に骨同士が固まることで安定し疼痛が減少することもあります。)

 

 

根本的な治療法は、基本的には手術療法が中心となります。

 

その中でも代表的な方法が、

・人工膝関節全置換術
・人工膝関節内側置換術

などの人工関節への置換です。

変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?

 

 

これにより、構造的な変化により生じていた痛みや変形を修正するのです。

その他にも、日常生活動作指導、薬物療法、リハビリテーションなどの治療方法が有名です。

しかしながら、これらは、疼痛を除去したり、進行を遅らせることが中心となるので、根本的な治療法とは言えません。

変形性膝関節症の手術に関する詳しい記事はこちらもどうぞ
変形性膝関節症とは!手術やその後のリハビリは?
人工膝関節全置換術(TKA)|正座や膝立ち、走る事は出来る?

 
   
 
 

変形性膝関節症のリハビリテーションの内容は?

それでは、変形性膝関節のリハビリテーションでは何をするのでしょうか!?

変形性膝関節症においても、重症度が低ければ手術療法は適応とはなりません。

このような保存療法での治療を進める方針となった場合、基本的にリハビリテーションの対象となります。

 

リハビリテーションでは、理学療法士が中心となって理学療法を施します。 ここでいう理学療法とは、

・温熱療法
・運動療法
・装具療法

などの手段を用いて、疼痛の緩和や、症状の進行の防止を図るのです。

 

実際にどのようなことを行うかというと、

・ホットパックなどを利用した温熱療法での疼痛の緩和
・膝周囲筋の筋力強化による関節の安定化
・膝関節周囲の関節可動域訓練による関節可動域の拡大
・足底板やウェッジ、アーチサポートなどを用いた装具療法
・立ち上がりや歩行などの動作指導

などが行われます。

 

これらは、万人に決められた項目ではなく、常にその人その人の症状に合わせたオーダーメイドの治療法を理学療法士によって立案・施行されるのです。

※ここで、示したリハビリテーションの内容は、基本的に保存療法の場合に適応となることが多く、手術療法などの後の後療法とはやや異なる部分もあります。

 

 

 

まとめ

今回は、変形性膝関節症の病態を知り、治療法やリハビリテーションなどについても言及しました。

すべての内容が万人に当てはまるわけではないですが、

心当たりのある方は、早めに整形外科などを受診し、専門医のアドバイスを受ける必要があります。

膝のトラブルでお困りの方の参考になれば幸いです。

リハビリテーションに関する詳しい記事はこちら
【変形性膝関節症】TKA術後のリハビリテーションって何をするの?
変形性膝関節症に対する筋力トレーニングとは?自宅で出来る方法は?
人工膝関節全置換術後の日常生活動作(ADL)に必要な膝関節可動域とは?


スポンサーリンク
Pocket