CRPS(複合性局所疼痛症候群)に対する治療方法とは?

    
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「CRPS」は、

“複合性局所疼痛症候群”と呼ばれる

きっかけとは不釣合いな慢性の激しい疼痛を伴う疾患です。

 

治療抵抗性と呼ばれ、

その治療には苦渋することも多いですが、

いくつかの治療法が存在します。

 

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「CRPS」とは、

交感神経の過剰な興奮によって生じる激しい疼痛です。

 

その原因や症状などについてはこちらを参照ください。
CRPSとは?原因や症状は?治療方法はある?

 

 

 

“複合性局所疼痛症候群”と呼ばれていますが、

過去には、“カウザルギー”“RSD”などとも呼ばれておりましたが、

各医療分野での定義の統一が図られていなかったため、

1994年より、「CRPS」という用語で統一されました。

 

 

そのような背景には、

多彩な症状が存在し、検査などにおける明確な判定基準が存在しなかったこともあります。

現在では、CRPSの検出における特異性は低いものの、

統一された判定基準が作成されています。

こちらを参照ください。
CRPS(複合性局所疼痛症候群)の検査や診断方法とは?

 

 

その診断の難しさもさることながら、

治療に苦渋する症例も少なくありません。

そこで今回は、「CRPS」の治療について解説します。

CRPSの治療法とは?

CRPSの治療の原則は、

「早期発見・早期治療」です。

 

しかしながら、その診断の難しさから治療の開始が遅れてしまうことも少なくありません。

また、エビデンスレベルの高い治療法が存在しておらず、

明確な治療指針が“ない”と言っても過言ではありません。

 

だからと言って治療の効果がないわけではなく、

以下に示すような治療が実際に行われ、組み合わせて行うことで効果が得られる場合なども存在します。

 

 

 

薬物療法

多くの場合に、治療の第一選択となるのは、

「薬物療法」です。

疼痛に対する処方が中心です。

個々の症例に応じて、その種類や量は異なります。

 

 

 

神経ブロック

薬物療法と同様に、疼痛に対して実施されます。

局所麻酔ステロイドの注入によって疼痛を引き起こす神経を麻痺させるのです。

ただし、効果は一時的な場合が多く

他の治療法と併用して実施していく必要があります。

 

 

 

脊髄電気刺激療法

薬物療法や神経ブロックと同様、疼痛に対して施行されます。

しかしながら、それらの疼痛に対する治療の中でも、

比較的、最終手段として行われます。

 

体内に電気刺激装置を埋め込み、

脊髄に微弱な刺激を送ります。

これによって脳への痛みの信号が抑制され、

疼痛の軽減につながるといわれています。

 

なお、埋め込みは後に抜去することも可能です。

 

 

 

リハビリテーション

リハビリテーションとは、具体的には理学療法作業療法です。

そもそもCRPSの一つの原因に不動に伴う機能障害からの発症の関与があるため、

運動療法や物理療法などの手段によって機能障害の改善を図ります。

 

疼痛の抑制など、他の治療と併用することでより効果が高まります。

 

 

 

患者教育・患者指導

CRPSは治療抵抗性といわれるほど、

治療は長引き、そして難渋することがあります。

患者本人の精神的な落ち込みが生じることもあるでしょう。

 

しかしながら、様々な治療の組み合わせと、自己管理が重要であることは言うまでもなく、

適切な疾患の理解を促す必要があります。

 

 

 

まとめ

今回は、「CRPS」の治療について解説しました。

現在でも様々な治療などの有効性が検証されています。

ただし、万人に有効な治療が存在しないことは、本疾患のみならず、他の疾患においても同様です。

そのため、適切な診断、そして個々の症状に合わせた治療を組み合わせることが、

最も重要な方法と言えるでしょう。


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