小児の骨折の特徴とは?

    
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小児の骨折は、成人の骨折とは違う幾つかの特徴があります。

そもそも、子供の骨折の場合、

適切に損傷の判断もできないため、

「泣く」「うまく歩けない」「手を使わない」

などの現象を見つけたら必ず受診するようにしましょう。

 

発見の遅れは、後遺症を残す原因となりかねません。

 

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小児の骨折の原因となるのは、

・転倒
・転落

が大半を占めます。

肘関節周囲や前腕などの上肢の骨折が半数を占め、

ついで、鎖骨や下腿の骨折が続きます。

 

 

小児の骨折の特徴として挙げられるのは、

【骨が非常に柔らかい】

ということです。

成長過程の骨には、弾力があり、特徴的な骨折を呈します。

・若木骨折
・隆起骨折
・骨端骨折

がその代表例です。

 

 

また、小児の骨は、成人よりも骨癒合が良好です。

少し転位があったとしても、自家矯正力があるので、回復過程の中で次第にまっすぐくっつくのです。

しかしながら、「成長障害」もしくは、「過成長」と呼ばれる現象があり、

適切な治療を行わなければ、後遺症を残すこともあるので注意が必要です。

 

そこで今回は、小児の骨折の特徴に関して詳しく解説します。

小児の骨の特徴は?

小児の骨の特徴は、成人と比べて、

【非常に柔らかい】ということです。

 

また、成長軟骨と呼ばれる骨端線がレントゲン上に投影されます。

これは、静止層、増殖層、肥大層、石灰化層の4層から成る構造を呈しています。

ここで骨は成長して長くなっていくのです。

 

これらの骨の構造自体の特徴から、

小児では、特徴的な骨折の仕方を呈すのです。

 

 

 

小児の骨折の特徴や種類は?

小児の骨折の特徴は、骨が柔らかいことから、

「ボキン…」

と完全に折れることはなく、

まるで、若木を折ろうとした時のような凸側が裂け、凹側の連続性が保たれた様の状態を呈します。

これを【若木骨折】と言います。

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若木骨折とは反対に、

凸側の連続性が保たれた状態で、

凹側に隆起ができたようになって折れる場合があり、これを

【隆起骨折】と言います。

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さらに、力学的にも脆弱とされる、

成長軟骨が存在している関節の周囲では、

【骨端骨折】を生じることもあります。

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これらの骨折全てに共通することが、

小児の骨折は成人よりも骨癒合が早いという点です。

血行が豊富なことから、骨膜性仮骨形成能が極めて旺盛で、癒合にかかる期間もなんと成人の2/3程度短いと言われています。

 

さらに、自家矯正力が備わっており、

多少の転位などでも、回復の過程でまっすぐに骨癒合するのです。

 

だからと言って、放置してはいけません。

小児の骨折にも幾つかの後遺症を残しかねない、重大な症状があるのです。

 

 

 

小児の骨折の後遺症とは?

小児の骨折には、見逃してはいけない重大な症状があります。

それは、

・成長障害
・過成長

の二つです。

いずれも後遺症を残し、いずれ手術などの治療を必要とする場合があるので注意が必要です。

 

 

【成長障害】

成長障害は、文字通り「成長の過程で障害が生じること」です。

成長に伴い、骨成長が止まる、曲がるなどの障害が生じます。

 

特に、骨端線の骨折である【骨端骨折】において、

一旦骨折すると、軟骨が死んでしまい、成長が損なわれてしまうことがあるのです。

その結果、折れなかった部分よりも短くなったり、曲がって成長してしまう場合があるのです。

 

 

【過成長】

一方で過成長は、

成長障害のように骨端ではなく、

大腿や下腿などの骨幹部の骨折後に生じる障害です。

 

文字通り、成長が過剰に生じてしまい、

反対側の下肢よりも長くなってしまいます。

 

「ちょっとくらい違っても…」

と思うかもしれませんが、脚長差は二次的に様々な身体的障害を招くので注意が必要です。

 

 

 

まとめ

今回は、小児の骨折の特徴に関して詳しく解説しました。

小児の骨折は、正しく症状を訴えることができないこともあり、

発見が遅れてしまうことがあります。

重大な後遺症を招くリスクもあるので、早期発見・早期治療を心がけましょう。


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