「腰椎椎間板ヘルニア」のリハビリテーションとは?

    
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腰痛を引き起こす代表的な疾患として、

「腰椎椎間板ヘルニア」があります。

 

高齢者よりも若年者が患いやすく、

日常生活のみならず、社会生活の制限をきたす疾患です。

 

手術の有無を問わず、その治療方法の一つとして

リハビリテーションがあります。

 

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「腰椎椎間板ヘルニア」は、

“脊椎と脊椎の間の椎間板が後方へ突出することで、

脊髄を圧迫し、下肢を中心とした神経症状をきたす疾患”です。

 

 

はっきりとした原因は明らかではないものの、

姿勢や動作、そして加齢などが関係すると言われます。

圧迫された脊髄が支配する領域の疼痛痺れを主症状とし、

重症化した場合には、運動麻痺排尿・排便障害をきたすこともあります。

詳しくはこちら
「腰椎椎間板ヘルニア」の原因や症状、治療法とは?痺れは治る?

 

 

その治療方法として代表的な方法では、

“手術療法”が挙げられます。

幾つかの手技が存在し、患者の症状に合わせて選択されます。

詳しくはこちら
「腰椎椎間板ヘルニア」に対する手術療法とは?入院期間はどのくらい?

 

 

手術療法ではなく、”保存療法”が選択される場合重要となるのは、

症状を抑制するための【リハビリテーション】です。

そこで今回は、「腰椎椎間板ヘルニア」のリハビリテーションについて解説します。

「腰椎椎間板ヘルニア」のリハビリテーションとは?

「腰椎椎間板ヘルニア」に対するリハビリテーションでは、

個々の症状に合わせた治療が必要となります。

 

保存療法が選択された場合、リハビリテーションの目的は、

“症状の出現を抑制し、二次的な障害の発生を防ぐこと”にあります。

 

リハビリテーションのみで、構造学的な変化を求めることは容易ではないですが、

症状が出現を抑制したり、

疼痛の結果生じる姿勢や動作パターンの変化による二次的な代償動作を軽減することが重要です。

 

リハビリテーションとして行われる具体的な方法は以下のようなものがあります。

 

 

 

温熱療法

温熱療法は、

疼痛の生じている腰部周囲の筋肉に対して、

ホットパック赤外線を施し、血流の改善や筋肉の過緊張を和らげる方法です。

 

急性期などの炎症期には、炎症を再燃させるため注意が必要です。

 

 

 

装具療法

装具療法では、

急性期などで、腰椎の運動が症状の出現を引き起こす場合に、

“コルセット”などを使用することで、腰椎を他動的に安定させる方法です。

 

筋肉で行われる腰椎の安定をコルセットで他動で行えるため、

筋の過剰な活動を抑制することも可能です。

 

ただし、慢性期においても使用を続けると、

本来の腰部周囲筋の筋力低下や可動性を招くため、不要な使用な避けましょう。

 

 

 

物理療法

物理療法では、

代表的な方法に“牽引治療”があります。

 

牽引治療は、専用の機器を用いて、腰椎を長軸方向へ引き伸ばし、

椎間板を上下から圧迫する内圧を軽減させる方法です。

結果として脊髄の圧迫を弱めることによって、症状が軽減します。

 

 

 

運動療法

運動療法では、

疼痛の生じている筋のストレッチや、腰椎の安定化を図る筋のトレーニングを行います。

 

ヘルニアでは、特定の方向への腰椎の運動が症状を招くことが多いため、

動作の中でも腰椎の動きが不安定にならぬよう、筋力トレーニングを行うことが重要です。

 

この際には、いわゆるインナーマッスルと呼ばれる姿勢維持や調整に働く筋の活動が重要であり、

理学療法士やスポーツトレーナーなどの指導のもと行うと効果的です。

 

 

 

姿勢・動作指導

腰椎椎間板ヘルニアでは、

特定の方向への腰椎の運動によって症状が引き起こされます。

 

そのため、きちんとそのような運動や動作を評価する必要があります。

また、そのような姿勢や動作を行わないように指導することが重要となります。

 

 

 

まとめ

今回は、「腰椎椎間板ヘルニア」のリハビリテーションについて解説しました。

一概にリハビリテーションと言っても様々な手段があり、

患者の症状によって組み合わせながら行います。

スポーツなどの場合には、再発を招きやすいため、きちんと症状がなくなってから復帰することが望ましいです。


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