「脱臼」ってどんな種類や症状がある?好発部位は?

    
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「脱臼」ってどんな状態で、

どんな種類症状があるかをご存知ですか!?

 

多くは、スポーツなどの激しい外力などで生じることが多いですね。

脱臼には、幾つかの種類や固有の症状が存在します。

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「脱臼(dislocation)」とは、

“関節を構成する骨同士の関節面が正しい位置関係を失っている状態”

と言えます。

 

言い換えると、

骨が本来あるべき位置からわずかにずれている(亜脱臼)

あるいは外れている状態(脱臼)です。

 

脱臼する関節にもよりますが、

多くは、スポーツなどによる激しい外傷によって生じます。

 

しかしながら、それだけでなく、

脳梗塞片麻痺などによる筋に生じた麻痺によっても脱臼(亜脱臼)を呈することもあります。

 

脱臼にはこのように、受傷原因や程度によって様々な種類があり、

特徴的な症状を示すこともあります。

そこで今回は、この脱臼に関して解説します。

脱臼の分類とは?

脱臼は、その程度と、受傷原因、脱臼の方向、時期などによって分類されます。

 

 

程度による分類

  • 完全脱臼:骨同士の関節面が完全にずれており、接触面はない
  • 不完全脱臼:いわゆる亜脱臼であり、部分的に関節面の接触がある

 

 

受傷原因による分類

  • 外傷性脱臼:スポーツなどの外力により、関節の生理的な運動範囲を超えて発生する
  • 病的脱臼:関節を取り巻く靭帯や関節包に病的な変化があり、脳梗塞などの運動麻痺による「麻痺性の脱臼」や、関節リウマチによる「破壊性脱臼」などが該当する

 

 

脱臼方向による分類

  • 前方脱臼:近位関節面に対して遠位関節面が前方に転位
  • 後方脱臼:近位関節面に対して遠位関節面が後方に転位
  • 上方脱臼:近位関節面に対して遠位関節面が上方に転位
  • 下方脱臼:近位関節面に対して遠位関節面が下方に転位
  • 側方脱臼:近位関節面に対して遠位関節面が側方に転位

 

 

時期による分類

  • 先天性脱臼:先天的な発育不良により生じる脱臼
  • 後天性脱臼:外力や病気により生じる脱臼

 

 

 

脱臼の症状とは?

脱臼を生じると、

脱臼が生じた関節に激しい「疼痛」が生じ、大抵の場合、動かすことが困難となります。

 

「脱臼」なのか「骨折」なのかの判断は素人では難しく、

容易に動かしたりすると、周囲の組織を傷つける可能性があるため、注意が必要です。

 

脱臼に特有の症状として、

弾発性固定または、弾発性抵抗と呼ばれるものがあります。

 

これは、患部を他動的に動かした際に、

“ゴムのように弾力のある抵抗が認められる”現象です。

離した場合に、自然に元に戻ります。

 

 

 

脱臼の治療とは?

「脱臼」を生じる関節は、好発部位は存在するものの、

骨同士をつなぐ関節であれば、どの関節でも生じ得ます。

 

原因や程度によっても異なりますが、

外傷などによって生じた脱臼に対しては、病院や治療院での

「整復」がなされます。

※素人が容易に行えるものではありません。

 

徒手的な「整復」が困難であった場合は、

「手術療法」などが適応となります。

 

整復後や術後は、再脱臼の予防を目的にリハビリテーションを行います。

特に関節周りを取り巻く、「筋力」の強化を行います。

 

 

 

脱臼の好発部位は?

身体の中でも最も脱臼が生じやすい部位は、

「肩関節」です。

構造的に上腕骨頭の被覆率が乏しく、

脆弱であるため、転倒や軽微な外傷で脱臼を生じます。

反復性肩関節脱臼って何?治療方法は?

 

多くは前方脱臼が占め(95%)ます。

また、一度生じると習慣的に脱臼を引き起こす「習慣性肩関節脱臼」に発展する場合もあるため、その治療が非常に重要です。

 

徒手整復を基本とするものの、骨折や習慣性を伴う場合には「手術療法」が適応となります。

やはり整復や術後は、肩関節周囲筋(特にインナーマッスル)の筋力訓練による再脱臼の予防が重要です。

 

 

 

まとめ

今回は、この脱臼に関してまとめました。

脱臼は骨折などを伴うこともあり、決して侮れない疾患です。

また、不十分な治療で放置し使用を続けると、関節の構造を変化させ、疼痛などが慢性化することもあるため、病院を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

脱臼に注意が必要な疾患はこちらも
人工股関節全置換術後の脱臼の原因や時期は?


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