「胸郭出口症候群」の診断方法や徒手検査方法とは?

    
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「胸郭出口症候群」

手指や上肢に痺れや痛みが出現したら要注意です。

 

一般的には、

病院にて診断を受けますが、

徒手検査方法にて(一部)セルフチェックも可能な疾患です。

 

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「胸郭出口症候群」とは、

“胸郭の出口と呼ばれる部分にて、神経や血管が狭窄または圧迫されて生じる神経症状”

です。

 

 

「胸郭出口症候群」の中にも、

神経や血管が圧迫される原因となる組織や部位によって、

以下の4つに分類されます。

・斜角筋症候群
・頚肋症候群
・肋鎖症候群
・過外転症候群

詳しくはこちらの記事を参照ください!
「胸郭出口症候群」の分類とは?それぞれの特徴は?

 

 

上記のように分類される「胸郭出口症候群」を、

それぞれの疾患だと特定するためには、

どのような診断方法があるのでしょうか?

実は、簡単に行える徒手検査もあり、一部ですがセルフチェックも可能です。

 

 

そこで今回は、「胸郭出口症候群」の診断方法や徒手検査方法について解説します。

「胸郭出口症候群」の基礎知識はこちらから
「胸郭出口症候群」とは?原因や症状、治療法とは?

「胸郭出口症候群」の診断方法とは?

「胸郭出口症候群」の診断方法として、

“画像診断”があります。

 

画像診断とは、

X線(レントゲン)MRIなどの検査です。

 

画像所見にて、”頚肋”の存在の有無や、

鎖骨の角度、なで肩の程度などを確認することができます。

 

また、特定の頚椎疾患が存在するかどうかの確認を行うことができます。

しかしながら、「胸郭出口症候群」の診断を行うには、画像診断のみでは不十分であり、

以下のような徒手検査も合わせて施行します。

 

 

 

「胸郭出口症候群」の徒手検査方法とは?

「胸郭出口症候群」の原因を特定するための検査として、

以下のような方法があります。

 

これらは、医師または理学療法士などの専門家が行いますが、

いくつかはセルフチェックとして簡易的に行うことも可能です。

 

 

Wright test

Wright testとは、

鎖骨下動脈を圧迫するテストで、陽性であれば“小胸筋下間隙”での圧迫が考えられます。

 

方法は、

両肩関節を、外転90度、外旋90度、肘90度曲げた肢位を保持します。

橈骨動脈の拍動が減弱すれば陽性です。

 

 

Roos test

Roos testとは、

鎖骨下動脈を圧迫するテストで、陽性であれば“小胸筋下間隙”での圧迫が考えられます。

 

方法は、

両上肢をバンザイのように挙上し(両肘は屈曲90°)、

その位置で手をグーパーグーパーを繰り返します。

 

3分以上この運動が続けられれば正常ですが、

異常があれば30秒と持たずに両腕のだるさや、運動の継続が困難となります。

 

 

肩引き下げテスト

肩引き下げテストとは、

鎖骨下動脈を圧迫するテストで、陽性であれば“小胸筋下間隙”での圧迫が考えられます。

 

方法は、

両肩関節を、下方へ牽引した肢位を保持します。

他者に肩を引き下げてもらうか、自分で重い荷物を持って肩が下げるようにすると良いでしょう。

 

橈骨動脈の拍動が減弱、または上肢の痺れや疼痛が出現すれば陽性です。

 

 

Morleyテスト

Morleyテストとは、

腕神経叢や鎖骨下動脈を圧迫するテストで、陽性であれば“斜角筋”での圧迫が考えられます。

 

方法は、

鎖骨のくぼみを指で圧迫します。

 

圧迫部の疼痛と、上肢に放散するような痺れや痛みが出現すれば陽性です。

 

 

Adosonテスト

Adosonテストとは、

腕神経叢や鎖骨下動脈を圧迫するテストで、陽性であれば“斜角筋”での圧迫が考えられます。

 

方法は、

頸部を痛みのある方向へ伸展かつ回旋させます。

 

橈骨動脈の拍動が減弱すれば陽性です。

陽性例は少ないようで、上記に挙げたテストとの組み合わせで疾患の有無を判断します。

 

 

 

まとめ

今回は、「胸郭出口症候群」の診断方法や徒手検査方法について解説しました。

徒手検査方法などは一部自己にて行える検査もあります。

ただし、自己判断のみで疾患の有無を判断することも危険です。

病院を受診し、きちんと医師の診断を受けるようにしましょう。

「胸郭出口症候群」のリハビリテーションはこちら
「胸郭出口症候群」に対するリハビリテーションとは?


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