横断歩道を渡るために推奨される「10m歩行速度」の基準値は?

    
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歩行能力の改善の指標の一つとして、

速度や歩数に着目したテストである「10m歩行テスト」があります。

 

実はこのテストによって、横断歩道を渡ることが出来るか否かについての基準を導き出すことが出来るのです。

 

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“屋外歩行の自立”

下肢の骨折後や、人工関節置換手術を行った者に対して掲げられることの多い目標の一つです。

 

屋外をただ歩ければ良いのでしょうか?

 

人によっても目的は異なりますが、

安全に道路を歩くための基準として、

 

“横断歩道を渡れるか”

という基準が用いられることが多いです。

 

横断歩道を渡るといっても転ぶ? 転ばない? ではなく、

十分な速度で渡りきれるかという点です。

 

そのためのテストとして、

臨床的にも簡便に行える「10m歩行テスト」があります。

 

今回は、この「10m歩行テスト」の目的や方法、横断歩道を渡りきるための基準値などについて解説します。

「10m歩行テスト」

計測する目的は?

歩行速度を計測することは、

簡便にその人の歩行能力を把握する客観的で定量的な評価方法です。

 

事実、加齢に伴って徐々に歩行速度が低下することが言われており、

転倒リスク寿命の予測などにも用いられることがあります。

 

かといって、その人について何mもある時間を計測する必要はありません。

「10m歩行テスト」は、

文字通り、10mの歩行速度の計測によって転倒の危険性や改善度合いを評価するテストなんです。

 

 

10m歩行テストの計測方法は?

「10m歩行テスト」は、

文字通り10mを歩く時間を計測します。

(十分なスペースのない施設では5mで計測する場合もあります)

 

この場合、10mの歩行路だけでなく、

前後に3mの予備路を準備します。

 

予備路からスタートの合図を出し、

実際の10mの歩行路のスタートを跨いだ瞬間から、10m先の歩行路のゴールを跨いだ瞬間の時間をストップウォッチなどで計測します。

 

その際に10m歩行路のゴール地点で止まってしまうのではなく、

予備路まで歩ききるように説明をしましょう。

 

いわゆる助走路ということになりますね。

 

 

時間だけ計測すれば良いの?

実はこの「10m歩行テスト」は速度だけでなく、

・歩幅

・歩行率(ケイデンス)

なども同時に計測・算出することが可能です。

 

速度を計測すると同時に、

歩数を計測しておくことで一歩の“歩幅”を算出することが可能です。

例)10m÷歩数20歩=歩幅50cm

 

また、歩数と歩行時間がわかれば歩行率(ケイデンス)”を算出することが出来ます。

例)歩数20歩÷時間10秒=2歩/秒

 

 

どんな速さで歩いてもらう?

実際に計測者では議論の別れるところではありますが、

「快適歩行速度」

「最大歩行速度」

どちらを要求しながら計測することが正しいのでしょうか?

 

もちろん目的によって使い分ければ良いのですが、

再現性が高いのは、「最大歩行速度」です。

 

“最大”

というのは日によって大きく変わるものではなく、

常にその人の能力を反映することが可能です。

 

一方“快適”という状態は、

その日の気分や調子によっても左右されやすいので、

必ず「最大歩行速度」を計測することをお勧めします。

 

 

横断歩道を渡ることのできる「10m歩行テスト」基準値は?

さてここで本題です。

 

日常生活において横断歩道を信号の時間内に渡ることの出来る速度はどれくらいなのでしょうか?

またどの時の「10m歩行速度」の基準値はどのくらいなのでしょうか?

 

それは、

速度でいうと1m/sであり、

「10m歩行速度」では10秒以内ということになります。

 

このような基準は日本でも広く信じられており、

実は日本における多くの横断歩道の青信号がそのように作られているようです。

参考)歩行評価基準の一考察

 

ただし、これには法的な規定はないようで、

設置されている交差点の形状や歩行者数、車両の数や種類や交通量などによって異なるそうです。

 

とはいっても、大多数の場合、

「10m歩行速度」で10秒以内を目標とすることは一つの基準として間違いではないようです。

 

 

まとめ

今回は、この「10m歩行テスト」の目的や方法、横断歩道を渡りきるための基準値などについて解説しました。

“「10m歩行速度」で10秒以内”

という明確な目標を持つことは、モチベーション向上にも一役買いそうですね。

もちろん、速度だけでなく信号や周囲の人を見回したり、

ちょっとした荷物を運搬しても転倒しない安定性を確保することが重要であることはいうまでもありません。

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