人工関節置換(TKA・THA)の術後には自転車に乗れる?乗れない?

    
Pocket

人工関節を行なった場合、

通常の生活に戻った際に自転車には乗れるのでしょうか?

乗る場合にはどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか?

 

スポンサーリンク

 

 

人工関節置換術は、

変性をきたした関節の表面を取り除いて、

人工の関節に置き換える手術療法です。

 

本邦においては、

特に膝関節と股関節における人工関節置換術の症例数が多く、

現在では変形性関節症に対する標準的な手術療法となっています。

 

に対する人工関節置換術をTKA

関節に対する人工関節置換術をTHAと言います。

 

詳しくはこちらを参照下さい。
変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
変形性股関節症の手術療法とは?どんな種類や方法がある?

 

多くの症例は、

歩行などの荷重時の疼痛を主訴に手術を受けることになりますが、

 

「もう一度、自転車に乗りたい」

といったNEEDを持った患者も少なくなりません。

 

では実際に人工関節置換術後に自転車には乗ることは可能なのでしょうか?

また、乗る場合にはどのようなことに気をつける必要があるのでしょうか?


スポンサーリンク

人工関節置換術後に自転車は乗れる?

人工関節置換術後に自転車には乗れるのでしょうか?

 

答えは、乗れるです!

 

これは、人工膝関節置換術(TKA)または人工股関節置換術(THA)を行なった人に限らず同様です。

ただし、すべての人が乗れるわけではありません。

 

というのも、そもそも変形性関節症などの症状を生じた後に、

自転車に乗れなくなる場合の多くの理由は、

関節可動域の制限または、関節可動時の疼痛によるものです。

 

そのため、人工関節の置換術によって、そのいずれもが改善されれば物理的には自転車に乗ることは可能です。

反対にそれらが改善していなければ術前と同様不可能ということになります。

 

とはいって、

TKAまたはTHAそれぞれによる違いや注意点も存在します。

 

 

 

TKAの場合

人工膝関節置換術(TKA)の場合、

自転車に乗るために必要な要素として

膝関節屈曲可動域の獲得が必須です。

 

必要な関節可動域の目安としては、

120°と言われています。

 

これは、おおよそ人工膝関節手術を行った場合の目標となる角度であり、

両側ともにこの程度の屈曲角度があることが望ましいです。

 

110°程度でも可能ですが、

骨盤を側屈させるなどの代償動作が出現しやすく、

安全に乗るにはやや不十分と言えます。

 

 

 

THAの場合

人工股関節置換術(THA)の場合、

自転車に乗るために必要な要素として

股関節屈曲可動域の獲得が必須です。

 

必要な関節可動域の目安としては、

90°程度を要します。

 

角度が十分でない場合、

骨盤を後傾させる代償などによってもペダリングは可能となりますが、

股関節の場合は脱臼などにも注意が必要です。

 

後方侵入(術式)の場合、

股関節の過屈曲が脱臼肢位となるため、

角度が十分でない場合や、易脱臼性を有す場合には特に慎重になる必要があります。

人工股関節全置換術後の脱臼の原因や時期は?

 

 

 

TKA・THAの両者に共通する要素

先に述べたように、

TKA・THA共に必要な関節可動域をあることを確認しました。

 

関節角度が不十分な場合の対応としては、

座面を高くすることで必要となる関節角度が少なくて済みますが、

足がつきにくくなることで転倒のリスクも高くなります。

(反対に座面を下げると必要な関節角度が増加する)

 

これに関連して重要なことは、

バランス能力です。

 

・ペダリング中に良好な姿勢を維持する
・不意にバランスを崩した際にとっさに足で踏ん張れる

 

これらの能力がなければ自転車に乗るべきではありません。

 

また、何度もバランスを崩して転倒して骨折すればもちろんのこと大怪我であるが、

人工関節の耐用年数は20年前後と言われていますので、

過度な負荷はその寿命を縮めることになる可能性も否定はできません。

人工膝関節の耐用年数とは?寿命がきたらどうするの?

 

 

 

まとめ

今回は、人工関節置換術後に自転車には乗ることは可能かどうかについて述べました。

簡単にいうと、

必要な関節角度を有し、必要なバランス能力があれば乗れる!

ということになりますが、

転倒による骨折はもとより、人工関節の破損は再手術のリスクがあることなども念頭においておかなければなりません。

いずれにせよ、乗る前には必ず担当の医師に相談し、説明を受けた上で判断するようにしましょう。


スポンサーリンク
Pocket