人工膝関節全置換術(TKA)翌日の歩行は痛くない?痛みが生じる原因は?

    
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変形性膝関節症は、

高齢女性に後発する慢性で進行性の運動器疾患です。

 

それに対し、人工膝関節全置換術は、主に除痛を目的とした手術療法で、

なんと手術翌日より全荷重下での歩行が可能となります。

 

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人工膝関節全置換術(以下:TKAは、

変形性膝関節症に対する標準的な手術療法です。

 

 

日本においては年間80,000件に及ぶ実施成績があり、

年々その技術の進歩によって退院までの日数も短縮しています。

 

 

そのため、手術の翌日よりリハビリテーションが開始され、

全体重をかけての歩行訓練が開始されます。

(荷重スケジュールは施設やDrの方針、または術式などによって翌日出ない場合もある)

 

 

多くの人から聞かれるのが、

「次の日から歩いて大丈夫なの?」

「歩いたら痛いんじゃないの?」

ということです。

 

 

基本的に手術自体が成功していれば、

荷重自体は問題ありません。

ただ、階段昇降などの負荷はいくらか遅らせる場合がほとんどです。

 

では、痛みに関してはどうでしょうか!?

TKA翌日の歩行は痛みはどんな原因が考えられるのでしょうか?

 

TKAに関する記事はこちらもどうぞ
変形性膝関節症の手術療法「TKA」とは?他にも手術の種類があるの?
【変形性膝関節症】TKA術後のリハビリテーションって何をするの?


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(TKA)翌日の歩行は痛い?

まず端的に答えると、

当然ですが、手術翌日からの歩行は“痛い”です。

 

そりゃあそうですよね。

手術翌日ですから…

 

それでも翌日から荷重を行い、歩行などの訓練を進めていくのは、

術後に過剰な安静によって全身的な筋力や体力を低下させないことなど重要な要素があるからです。

 

では、術後翌日に考えられる痛みの原因にはどのようなものがあるのでしょうか!?

必ずしも膝関節に限局したものだけではありません。

 

 

術後の炎症によるもの

TKAによる手術は、

膝蓋骨周囲を縦に切開し、膝蓋骨を反転かつ、周囲の組織を避けながら骨まで達します。

 

そのため、手術による侵襲は筋のみならず皮膚や周囲組織に及びます。

手術翌日であれば当然ながら手術侵襲によって炎症が生じている状態です。

 

このような状態では、

荷重に伴い、手術によって侵襲を受けた筋肉の収縮や、

創部を保護しているガーゼと皮膚との摩擦など、

炎症に起因した疼痛が生じることが多くの場合に認められます。

 

 

筋肉のスパズムによるもの

TKAの術後は、

前述したように手術侵襲に伴う炎症に起因した疼痛が安静時より生じます。

 

このような状態が続くと

たとえ寝ていても動かすことが怖くなり、

周囲の筋肉でガチッと固めてしまいます。(同時収縮)

 

特にハムストリングスや大腿筋膜張筋などはその代表的な筋肉と言えるでしょう。

このような痛みに対する反応は、

いざ起立で足に体重をかけるとなると、

それこそ強い反応となり、筋のスパズムとして痛みを助長する原因となります。

 

 

周辺の関節のアライメント変化によるもの

TKAの手術では、

除痛が主な目的であるものの、内側コンパートメントへの荷重を軽減させるため、

膝関節の内反アライメントがある程度修正されます。

 

もともと重度の内反変形を呈している患者は、

足部を回内させて床面へ接地できるように適応している場合が多いです。

 

しかしながら術後の膝関節はアライメントが急激に修正されるため、

足関節の中でも荷重が集中する部位が変化するのです。

 

足関節が柔軟で、即座に新たなアライメントに適応できれば良いですが、

そうでない場合には、荷重開始早期より特に足関節に疼痛が生じることもあります。

 

 

 

まとめ

今回は、人工膝関節全置換術(TKA)に関して、

翌日の歩行は痛みが生じるのか、そしてその痛みが生じる原因について解説しました。

多くの場合は術後の炎症に起因するものがほとんどであり、

数日で消失します。

そのため、いきなり歩いたから足が痛くなったと消極的になるのではなく、

疼痛は生じるものとして、それでも必要であることを認識しながら進めていけると良いですね。

 

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